2002年初め、実用途におけるプロフィバスケーブルの耐用寿命を測定するテストが、弊社の試験研究所に委託されました。テストの目的は、イグスのCFBUS.001チェーンフレックスケーブルと市場をリードするプロフィバスケーブルとの耐用寿命の違いについて調査することでした。
カタログ掲載データ | テストサンプル「A」 2芯のプロフィバスケーブル | テストサンプル「B」 イグス「チェーンフレックスCFBUS001」 | |||||
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断面積 | (2 x AWG24)C | (2 x 0.25 mm2)C | |||||
保証寿命 | 最低 400万回 | 試験 継続中 | |||||
曲げ半径 | > = 60 mm | 85 mm | |||||
径 | 8,0 mm | 8,5 mm | |||||
カタログ掲載データ | 2002年時点 | 2002年時点 |
競合他社のカタログデータに従ったテストパラメータ
テストに必要なパラメータは、他社のカタログに記載されたデータを基に選択しました。テスト形態としては、プロフィバスケーブルが通常使用される「スライド走行」式をとりました。特に長いストロークと長い伝送距離に関するプロフィバスケーブルのデータが揃っていた為です。
非破壊テストを実施できるようにするため、すなわち短期間に多数の曲げサイクルを実施できるようにするため、純正のプロフィバスの伝送路を構築しました。テスト用エナジーチェーンの固定端に設置したPCにプロフィバスのマスターカードを挿入しました。プロフィバスのスレーブへの接続部は可動端に配置し、診断プログラムを使って伝送速度を測定できるようにしました。誤って伝送されたと思われるデータパケットがあれば、これを表示することができます。最大可能伝送速度は12Mb/sに設定しました。
基本テストは2002年の初めに開始し、現在も継続中ですが、テストサンプル「A」については比較的短いサイクル(42万回)となり、完全な失敗に終わりました。他社のカタログによると、この製品は少なくとも400万回は安全に動作するはずでした。テストにより得られた実耐用年数は、カタログに記載された耐用寿命の10分の1というかけ離れたものでした。
一方、テストサンプル「B」(CFBUS.001)は、データ伝送の不良はなく、現在もテスト中です。これまでのところ、1400万回以上を達成しています。
このため、テストサンプル「B」(イグス製品)は、曲げ動作中にバスペアを機械的影響から保護するために、機械的特性に優れた押し出し成形TPE内被や、隙間に食い込む充填シース部材を備えています。シース部材は高弾性でなければなりません。一般によく使用されている介在やバンディングのような安価な充填材で作られた低性能のシースは、バスペアの形状を丸く保つことはできますが、ケーブル保護管内に生じる大きな機械的応力からバスを保護することはできません。引張力と圧縮力が生じると、シース部材に破断が生じるような大きな影響をケーブルコア部分に及ぼします。
テストパラメータ | |||||||
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ストローク: | S = 5.0 m | ||||||
速度: | V = 3.5 m/s | ||||||
加速度 : | a = 7.5 m/s2 | ||||||
半径 : | 55 mm |
テストサンプル「B」(CFBUS.001)のシースは、機械的特性に優れた隙間に食い込む押し出し成形のTPE内被を特長としているため、この内被がバスペアにかかる力を軽減し、所定の位置にコアを固定しつつ曲げることができるのです。
また、コアの撚りピッチを非常に短くしたことも、大きな引張力や圧縮力が長いコアに影響を及ぼさない要因のひとつとなっています。
チェーンフレックスCFBUSケーブルは、標準フィールドバスシステムすべてに対し、UL、CSA、およびDESINAの各規格で納品可能です。 ケーブルの安定性を向上させるため、最適な編組角度をもつ全体シールド上に、すぐれた耐摩耗性と難燃性を備えた外被を押し出し成形しています。
非常に短いピッチで撚られたバスペアは、隙間に食い込む押し出し成形TPE内被によって保護されています。絶縁材と製造工程をうまく組み合わせて選択することにより、バスケーブルに必要な要因が満たされるのです。
他のチェーンフレックスケーブル同様、新しいCFBUSシリーズも現在、在庫を備えてすぐにご納品いたします。切断コストあるいは少量追加コストもありません。