トップドライブ向けに信頼性の高い e-loop ケーブルガイドを提供

耐候性に優れ、メンテナンス・組付け・取り外しも容易

トップドライブ付きの深層掘削リグは、地中から原油を採取するために使用されます。
これらの現場では、風雨や汚れ、リグや機器の荒い取り扱いなど、過酷な条件下で機械部品が影響を受けます。

これまで、ケーブルの配線には「サービスループ」と呼ばれる方法が一般的でしたが、これには多くの問題がありました。
サービスループは、明確な曲げ半径がないため、ケーブルが自由に動いてしまいます。
強風時には、たるんだサービスループがマストや照明設備に引っかかり、断線や破損の原因となることもあります。
また、ケーブルの一部に不具合が生じた場合、ホースパッケージ全体を交換しなければならないという課題もありました。

こうした問題を解決するため、イグスは e-loop を開発しました。
e-loop は、断面が大きく重量のあるケーブルでも、吊り下げ型の用途で安全かつ確実にガイドできるよう設計されています。

e-loopは、プラスチック製エナジーチェーンの利点と、高強度な引張ケーブルの特長を融合したシステムです。
エナジーチェーン内部に組み込まれた引張ケーブルにより、引張力は取り付けブラケットおよび構造体へと確実に伝達されます。
e-loopは、石油・ガス産業だけでなく、洋上産業、陸上電源供給、建設機械、風力発電設備など、さまざまな分野で活用されています。

1つのシステムでケーブルを安全にガイド
風雨や汚れに強い設計
堅牢なPU外装による衝撃保護
稼働中でもケーブルの追加・交換が可能
すべての構成要素にダブルスクリューロックを採用し、高い作動安全性を確保

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e-loopの構造はこのようになっています

1）内部構造は、4つの射出成形部品で構成されています。そのうちの2つがチェーンリンクのクロスバーを形成し、ねじで固定されて脱落しないようになっています。このねじ固定によって、クロスバーは牽引用ロープにしっかりとクランプされます。

2）外側には、衝撃吸収性のあるPU製プロテクターが装着されており、強い衝撃が加わった場合でも、エナジーチェーンおよびケーブルをしっかり保護します。

個々のチェーンリンクは、高強度の牽引用ロープにクランプされています。ロープ自体はプラスチック繊維製で、許容引張荷重は50kNです。

e-loopの取り付けブラケットには、堅牢なスチール製ブラケットが使用されています。このブラケットには、e-loop全体の引張力を受け持つプラスチック繊維ロープが組み込まれています。。

e-loop 製品選択

ダイナミックなフルウェブ｜ほぼすべてのアプリケーションに対応

製品番号:	内幅 Bi: [mm]	外幅 Ba [mm]	曲げ半径 [mm]	ケーブル径 [mm]	収納重量 [kN]
ELP.220.01.D	150	220	380	38	4
ELP.300.01.D	230	300	500	75	7
ELP.430.01.D	360	430	680	108	11
ELP.TD.300	230	300	500	75	50

スタティック、セミリジッド｜純粋にスタティックなケーブルルーティング用

製品番号:	内幅 Bi: [mm]	外幅 Ba [mm]	曲げ半径 [mm]	ケーブル径 [mm]	収納重量 [kN]
ELP.220.01.S	150	220	175	38	4
ELP.300.01.S	230	300	210	75	7

e-loopを採用した注目のプロジェクト事例

トップドライブ – Pertamina Drilling Services Indonesia

インドネシアのPertamina Drilling Services Indonesia社が採用するトップドライブは、手持ちドリルより少し大きい程度の装置ですが、石油掘削リグでドリルパイプに時計回りのトルクを与え、海底に穴を掘るために使用されます。この装置において、ダウンタイムは決して許されません。

実際、2022年から2023年にかけて、サービスループの損傷によってトップドライブが稼働不能となり、7億3,300万米ドルの損失が発生しました。このような背景から、設計者たちはケーブルシステムの近代化に踏み切りました。

現在は、イグスのchainflexケーブル（例：CFSPECIAL.572.4000.01）と、e-loopシリーズのエナジーチェーン（例：ELP.300.26248）が使用されています。この新しいシステムにより、動作の信頼性が大きく向上しました。

Pertamina Drilling Services Indonesiaによれば、新システムは取り付けや点検も簡単になり、技術者たちの信頼も高まっているとのことです。
かつてケーブルの敷設には最大12時間かかっていたのが、現在ではその半分の時間で完了するようになりました。

猛吹雪の中でもフル稼働 ― トップドライブ

カナダの石油掘削会社では、イグスのe-loopエナジーチェーンソリューションにより、ドリルパイプを地中に降ろし、再び引き上げるトップドライブへ、激しい嵐の後でも常に安全かつ確実に電力と信号が供給されることが保証されています。

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バケットホイール式掘削機

e-loopは、Holcim（ドイツ）GmbH社製のバケットホイール式掘削機に採用されています。
高性能プラスチック製のモジュラーシステムにより、常に一定の曲げ半径が確保され、振動や衝撃にも対応可能です。

当初は設置作業に8時間を要する予定でしたが、e-loopを使用したことで、わずか4時間で完了しました。

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トップドライブシステム

モジュール式エネルギーチェーンシステムe-loopは、石油・ガス産業の掘削装置に使用されています。イグスのe-loopは、掘削装置の耐用年数の向上と大幅なコスト削減を可能にしました。さらに、マスト内のケーブルが絡まることもなくなりました。

e-loopの社内試験ラボ

e-loopの耐荷重試験

500トントップドライブ用に、ケーブルを完全に組み込んだe-loopの耐久試験を実施。
この試験は、風や振動を模擬しつつ、屋外環境下のあらゆる影響を受ける条件で行われました。

試験結果：
現在までに17万往復を達成し、これは連続運転に換算して約4.5年分に相当します。
気象条件による影響はまったく見られず、e-loopの機能に支障はありませんでした。
横方向からの衝撃、振動、ショックに対しても、e-loopは安定した性能を維持しています。

Eループの破断テスト
テストのセットアップ：e-loop® を10メートルの高さから金庫の上に振り下ろし、全力で金庫にぶつける。

結果テストの結果、e-loop® は問題なく衝撃に耐え、耐衝撃性、耐破壊性があることが示された。

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垂直掘削リグに搭載されるe-loop

垂直掘削リグのサービスループに代わる新開発のループは、極めて劣悪な環境条件下でも耐用年数が大幅に延長されることが特徴です。

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悪条件下でのe-loopの使用

e-loop は、バケットホイール式掘削機、船舶用アンローダー、洋上風力タービンの建設など、悪条件下で使用されています。

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Eループの2つのチェーンリンクの組み立て®

e-loop® 工場内

e-loopに関するよくある質問

サービスループは、トップドライブへの電源供給など、吊り下げられた用途でケーブルやホースに給電するために使用される。このため、ケーブルはしばしばドレスパックにまとめて鋳造されます。
断面積の大きな重いケーブルを吊り下げ用途で確実にガイドするために、イグスはサービスループに代わるものとしてe-loopを開発しました。このエネルギー供給システムは、曲げ半径が規定された歪み除去ケーブルを移動させることができる円形の3次元モジュラーシステムです。ケーブルは個別に使用でき、メンテナンス時に交換することもできる。チェーンリンクもいつでも交換可能です。

イグスの新しいエネルギー供給システムは、ケーブルの引張力を吸収する高張力プラスチックロープを中心に構築されている。このロープは合成プラスチック繊維でできているため、飛散防止、耐候性、柔軟性、腐食の心配がない。

フックを外し、寝かせ、ネジを外し、ケーブルを交換し、ネジを閉めて再び取り付ける。エナジー・チェーンのシンプルなモジュラー・セットアップのおかげで、メンテナンスはこれだけです。稀なケースですが、ダウンタイムを避けるため、交換用チェーンを常に手元に用意しておく必要があります。

e-loop は、お客様のご希望に応じ、ドラムやパレットに完全組立式または既製品で供給します。e-loopの端には、追加取り付け用のネジ山があります。弊社の設置チームが組み立てを行います。

個々のチェーンリンクはすべてネジで固定されているため、部品が脱落することはありません。