3Dプリントカスタムすべり軸受

機械故障無し: 寿命予測ができる耐摩耗性ポリマー

► 試験済み:試験済み一般的な3Dプリント材と比較して最大50倍の耐摩耗性
► 機械のダウンタイム無し: 寿命予測可能
► 素早い製造: 短納期
► 金型費用無し、最低注文数量無し: 10,000個までの生産において効率的

お客様の使用事例

3Dプリント製すべり軸受の活用例

3Dプリントによる素早い試作品作成

WAREMA Sonnenschutztechnik社では、移動式ラックのすべり軸受に欠陥があり、生産に遅れが生じていました。そこでイグスは、新しいすべり軸受をCADで開発し、イグリデュールI3をレーザー焼結方式で印刷するという迅速な解決策を見いだしました。初期テストでは、手の届きにくい場所にあるすべり軸受が簡単に交換できることを確認できました。その後、すべり軸受はオンラインCNCサービスから注文されました。

イグリデュールI3を使用したすべり軸受の試作品の詳細はこちら

カスタムベアリングの高速納品

ベルリンを拠点とするBlackcam社は、コンサートやスポーツイベントの生中継の際に視聴者からはほとんど見えない狭いレールの上を移動するリモコン式カメラドリーのためのコンパクトなソリューションを開発しています。試作品を展示する展示会に向かう途中、すべり軸受の不良を発見し、システムの使用が不可能となりました。スペアパーツは持っていませんでした。イグスの高速3Dプリントサービスにより、必要な部品をイグリデュールI180でプリントし、わずか数時間で納品することができました。

カメラドリー内の3Dプリント製すべり軸受について詳しく

特殊な形状のすべり軸受

フィンランドのZenRobotics社は、AIを搭載した産業廃棄物選別システムの開発段階において、直動速度3m/sに耐えられるすべり軸受を探していました。すべり軸受は、設置される溝付きのアルミニウム軸に適した形状でなければなりません。3Dプリントを利用することで、複雑な形状のすべり軸受を短時間で製造し、テストすることができました。次のステップでは、射出成形素材の多様性を生かし、print2mold（P2M）を用いて射出成形金型を積層造形で製造しました。

複雑な形状のすべり軸受の詳細はこちら

操舵動作を改善

80年代に製造されたヨットのラダーベアリングはひどい状態でした。長年の使用で摩耗や破損が進んでいました。しかし、メーカーはすでに廃業しており、このラダーベアリングも今日の市場ではほとんど使用されない寸法を採用していました。では、代替品はどこで入手できるのでしょう。その答えはイグスの3Dプリント部門にありました。お客様は2時間で、正確に要件を満たすすべり軸受を設計することができました。

2ピース構成のラダーベアリングについて詳しく

ベビーカー内の無潤滑すべり軸受

折りたたみ自転車やベビーカー、車椅子などは、折りたたんだり部分的に取り外して持ち運び、必要な際に簡単に組み立てることができます。便利ですが、これには一つ問題があります。金属部の潤滑油が手に付いたり、最悪の場合服にも付着してしまうことがあります。これは無くせないのでしょうか？いいえ、イグスのイグリデュール樹脂で3Dプリントされたすべり軸受は無潤滑です。

無潤滑ベビーカー用の3Dプリント製軸受

イグリデュール樹脂を使用した3Dプリントパーツのその他使用事例

スペアパーツ、特注品、プロトタイプ、量産品など、耐摩耗性に優れた3Dプリント部品の用途は多岐にわたります。 3Dプリントの高い設計自由度と長い耐用年数により、多くのお客様からご好評を頂いています。

耐摩耗性ポリマー使用の3Dプリントの使用事例

3Dプリント製すべり軸受のテスト：一般的なプラスチックに比べ最大50倍の耐摩耗性を実現

摩耗試験: 揺動

試験パラメータ：

面圧：20MPa
表面速度: 0.01m/s
揺動角度: 60°
期間：4週間

軸材質: SUS304 ステンレス

Y軸：耐用期間 [h]

X軸：試験材質

   1. PA12（SLS方式で3Dプリント）
   2. PA12 + ガラスボール（SLS方式で3Dプリント）
   3. イグリデュールI3（SLS方式で3Dプリント）
     ►最大 10倍の耐用期間
   4. イグリデュールW300（射出成形）

テスト結果：
揺動摩耗試験において、イグリデュール3Dプリント材質製のすべり軸受の摩耗特性は、標準的な3Dプリント用材質で製造されたベアリングに比べ最大50倍の耐摩耗性があり、射出成形によるベアリングと同等の値を示しています。

短い直線ストローク: 射出成形品と同等の耐摩耗性を持つ3Dプリント製すべり軸受

試験パラメータ：

面圧：1MPa
表面速度: 0.3m/s
ストローク：5mm
期間：1週間

軸材質：
■ S50C：焼き入れ鋼
■ SUS304 ：ステンレス

   Y軸 = 摩耗量 [μm/km]

   X軸：試験材質

   1.ABS（FDM方式で3Dプリント）
2.イグリデュール J260（FDM方式で3Dプリント）
3.イグリデュール J260（射出成形）

試験結果:
耐摩耗性ポリマーイグリデュールJ260 製すべり軸受は、作成方法にかかわらず両方とも優れた摩耗率でした。試験では、射出成形されたすべり軸受と3Dプリントされたすべり軸受を、同じ荷重と表面速度でテストしました。
加えて、このテストではABS材質と比較して、イグリデュール3Dプリント材質はその優れたトライポロジー特性のために摩擦係数及び摩耗が大幅に低い ことを示しています。

3Dプリントすべり軸受：揺動/高負荷試験においても、射出成形軸受と同等の耐久性と堅牢性を実現

試験パラメータ:

面圧: 10、20、45MPa
表面速度: 0.01m/s
揺動角度: 60°
時間: 1週間

   Y軸：摩耗量 [μm/km]

   X軸：試験材質

   1. イグリデュール I3（SLS方式で3Dプリント）
2. イグリデュール I180（FDM方式で3Dプリント）
3. イグリデュール G（射出成形）
4. イグリデュール W300（射出成形）

試験結果:
この高荷重試験で、3Dプリント(SLS方式)で作られたすべり軸受は、最高面圧45MPaに耐えることが分かります。 それは トライポロジー特性及び摩耗量が、射出成形で作られたすべり軸受と同じくらい優れていることを示しています。外径及び長さ20mmのすべり軸受が試験されました。つまり3Dプリント製すべり軸受には1,800kgの荷重がかけられました。試験結果は、耐摩耗性イグリデュールポリマーで作成されたすべり軸受は、高荷重用途にも最適なことを表しています。

PA12よりも2倍優れた摩擦係数

試験パラメータ：

面圧：1MPa
表面速度: 0.1m/s

軸材質: S50C

Y = 摩擦係数 [-]
X = 運転時間 [h]

1. PA12（SLS方式で3Dプリント）
2. イグリデュールI3（SLS方式で3Dプリント）

テスト結果：
イグリデュールI3の摩耗特性は、標準的なSLS方式でプリントしたPA12プラスチックと比較して2倍優れているという結果が得られました。これは、イグリデュール材質には、摩擦係数を下げ、部品の寿命を大幅に延長する固体潤滑剤が含まれているためです。低摩擦のプラスチックは、例えば、モーター設計の際に特に有効であり、理由は摩擦が50％少なく必要な駆動力が半分で済むためです。