言語の変更 :
動きのある機械には欠かせないベアリング(軸受)。軸の動きを止めないようにしながらも、軸の重さは支えるのが役割です。
「産業の米」と言われるほど重要であり、ひとつ間違えると摩擦・摩耗・焼き付きなどにより機械の動きを損なってしまう責任の大きな部品でもあります。
本ページではベアリングの種類(転がり軸受/すべり軸受)と、故障を起こさず寿命を延ばす用途に合った製品選定のしかたをご紹介します。
ベアリングは、回転軸や摺動部を支えつつ、滑らかに動かします。求められる役割は次の3点です。良いベアリングは()内の性能に優れます。
・必要な動きを低摩擦で実現する(効率・省エネ)
・軸を所定の位置に支持する(精度・剛性)
・摩耗や焼付きなどを抑え、動きと支持の両立を保つ(寿命・信頼性)
ベアリングは、動きを実現する方法によって大きく2つの種類に分類されます。
※すべり軸受の詳細(特徴・メリット/デメリット・材質選定)は、以下のページ「すべり軸受とは?」で詳しく解説しています。
⇒すべり軸受とは
内輪・外輪との間に、ボールやころを挟むことによって摩擦を減らす軸受です。支える荷重の方向、材質などによって制御のしやすさ、使える環境、耐久性などが異なります。
高速回転に強い、高精度という強みがありますが、挟まれた部品に荷重がかかるため、衝撃や耐荷重には比較的弱くなります。

すべり軸受は面で軸を支持する軸受で、転がりが苦手とする条件で有効な選択肢です。一般的にはすべり面に油や空気が作業流体として使われますが、イグスのように個体潤滑剤を混入するタイプもあります。
材質は以下のようなものがあります。
・金属系(焼結・含油など):条件によっては油膜や含油で運用
・樹脂系(無給油・メンテナンス低減型):給脂が難しい環境や汚れが多い環境で検討されやすい
詳しい選び方(材質・相手軸・すきま・環境適性)は、以下のページ「すべり軸受とは」で詳しく解説しています。
アプリケーションに最適なベアリングを選ぶ際には、以下のポイントを確認することで最適なベアリングを見つけやすくなります
目標寿命(稼働時間やサイクル)を決め、形式・サイズの妥当性を確認します
ベアリング設計で注意すべきなのが「配列」です。配列とは、どこでどのようなベアリングをいくつ配置するかを意味します。例えば軸に力や熱が加わると、場所や力の向きが変わり過大な負荷がかかります。
「固定側/自由側」を意識して配列を決めることで、焼付きや早期損傷のリスクを下げられます。

ベアリングの寿命は、荷重・回転数・潤滑・汚れ・取付状態などに影響されます。よく使われる考え方として、L10(基本定格寿命)があります。
L10:同一条件で多数のベアリングを運転したとき、一定割合が寿命に達するまでの指標として用いられる(一般に信頼度90%の寿命として説明されます)
実務では、計算値だけでなく、汚損・潤滑・取付誤差など運用条件も踏まえて安全側に数値を設定します
ベアリングは力の加わる製品であり、劣化・故障と無縁ではありません。ベアリング使用箇所では常に以下の3つの事象に留意し、適切な製品を選ぶことで故障のリスクを最小化することができます。
原因候補:潤滑不良、異物混入、損傷、取付不良、過大荷重
確認:シール状態、汚れ、温度上昇、回転の引っ掛かり
対策:清掃・防塵、潤滑見直し、取付精度改善、形式見直し
原因候補:摩耗、予圧・すきま設計の不適合、取付の偏り
対策:荷重条件の見直し、配列の見直し、形式・サイズの再選定
原因候補:潤滑が成立していない、過大荷重、過拘束(配列不良)、粉塵/水分の影響
対策:固定側/自由側の再確認、防塵・防水、潤滑条件の再設計、環境に合う方式へ変更

次のような条件では、転がり軸受が想定通りの寿命を出しにくいことがあります。
このような場合は、すべり軸受(材質・相手材・すきま設計を含む)が選択肢になります。
詳しい判断材料は、以下のページ「すべり軸受とは」でまとめています。
A. 一般に同じ意味で使われます。「軸受」は日本語の総称、「ベアリング」は英語由来の呼び方です。
A. 転がり軸受は「玉・ころが転がる」方式、すべり軸受は「面がすべる」方式です。速度・荷重・環境・潤滑条件で向き不向きが変わります。
A. 目安として、玉は扱いやすさ・高速側、ころは高荷重側で検討されることが多いですが、最終的には荷重方向・回転数・寿命・取付条件で決めます。
A. ラジアルは軸に直角方向、スラストは軸方向の荷重です。両方かかる場合は形式選定が重要になります。
A. 温度変化で軸は伸び縮みします。両側を強く拘束すると過大荷重になり、焼付きや早期損傷につながるため、逃がす設計を入れます。
A. ベアリング寿命の代表的な評価指標です。実運用では汚れ・潤滑・取付誤差などの影響も加味して判断します。
A. 異音の原因は複数あります。温度上昇、振動、汚れ、潤滑状態などを確認し、必要に応じて点検周期短縮・潤滑見直し・形式見直しを検討します。
A. 給脂ができない/止まりやすい環境では、すべり軸受(無給油材など)も含めて方式から再検討するのが有効です。詳細は「すべり軸受とは」で解説します。(内部リンク予定)
用途・条件をいただければ、適した軸受方式の整理からご相談いただけます。