イグリデュールすべり軸受とニードルベアリングの揺動比較試験

お客様の実際の使用シャフトを用いて、弊社試験施設にて一連の試験が実施されました。 試験は試験施設内の標準試験装置を用いて実施されました (写真1)。 お客様のアプリケーションでは、多くの汚れの侵入が一部考えられました。 そのため潤滑は好ましくなく、加えて、ニードルベアリングに必要な潤滑は全作動時間の中の限られた時間しか保証されません。 したがって、すべり軸受は通常運転(つまり無潤滑・無給油)で試験され、ニードルベアリングは潤滑あり/なしの両方で試験されました。 最初のステップでは、すべてのテストは汚れの侵入無しで行われました。 イグリデュールすべり軸受では、摩耗は荷重方向の内径変化によって決められました。 そのため、試験の前と後の内径を外側マイクロメータで測定しました。 その違いは摩耗です。 走行性能は摩耗量を比較するために、同じサイクルに決められました。 ニードルベアリングの内径は、試験施設に設けられた手段では測定できませんでした。 そのため、摩耗量は質量の損失量などによって決められました。

摩耗試験は以下のパラメータで行われました:

  

パラメータ			値
ベアリング	イグリデュールP210	イグリデュールQ	イグリデュールQ2	ニードルベアリング	ニードルベアリング
シャフト	お客様の軸(窒化処理)	お客様の軸(窒化処理)	お客様の軸(窒化処理)	お客様の軸(窒化処理)	お客様の軸(窒化処理)
荷重	4 MPa	4 MPa	4 MPa	4 MPa	4 MPa
運動の種類	揺動	揺動	揺動	揺動	揺動
揺動角度	60°	60°	60°	60°	60°
速度	0.01 m/s	0.01 m/s	0.01 m/s	0.01 m/s	0.01 m/s
潤滑剤	なし	なし	なし	なし	OKS 400 (一回)
目標サイクル数	600000	600000	600000	600000	600000

写真2: イグリデュールP210軸受、決められたシャフトにて無潤滑にて試験後

写真3: イグリデュールQ軸受、決められたシャフトにて無潤滑にて試験後

写真4: イグリデュールQ2軸受、決められたシャフトにて無潤滑にて試験後

写真5: ニードルベアリング、決められたシャフトにて無潤滑にて試験後

平均摩耗比較

イグリデュールP210、イグリデュールQ、イグリデュールQ2; p=4MPa; v=0.01 m/s; 揺動角度 60°

結果：

潤滑なしのニードルベアリングは、目標運転時間の約1/10～1/3までしか達成できませんでした。 加えて、シャフトには大きな損傷が見られました。 潤滑ありのニードルベアリングは、より重くなっていました。 これは軸受に蓄積された粒子が、潤滑剤によって付着したためと思われます。 しかしながら、ベアリングの摩耗量はごくわずかであるように見えました。すべてのイグリデュールすべり軸受は、潤滑ありのニードルベアリングと同じように、目標運転時間をクリアし、まだ十分に使用可能でした。 シャフトにもわずかな跡しか見られませんでした。 従って、イグリデュールP210すべり軸受が摩耗試験にて最良の結果を達成し、シャフトとの組合せも最適でした。 これら結果より、このアプリケーションには無潤滑のイグリデュールP210すべり軸受の使用を推奨しました。 必要に応じて、続くステップとして汚れの侵入を加えた追加テストをすることもできます。

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