STSクレーンにおける強風下でのケーブルガイド

• 導入ニーズ： 樹脂製エナジーチェーン
• 要件： 港湾エリアで時速70kmを超える強風の中でも、すべてのケーブルを安全に可動させる配線システムが必要
• 業種： クレーン技術／港湾設備
• 導入効果：
  　従来の吊り下げ式ケーブルシステムではケーブルが絡まりやすく、それを解くために多大な時間とコストが発生していました。
  　イグスのエナジーチェーンにより、こうした作業は完全に不要になりました。
  　導入から数か月で、すでにこのシステムが最適な選択だったことが実証されています。

堅牢かつスマート ― デジタル接続されたエナジーチェーンが、ロッテルダム港のSTSクレーンを強化

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この導入事例では、EMO B.V.社がイグスのクレーン用エナジーチェーンを用いて、STS（船積み・船卸し）クレーンで37万5,000km以上の走行を達成している様子をご紹介します。

この船積み・船卸し（STS）クレーンの最大の特長は、トロリーを支える前方アーム構造にあります。
この構造により、クレーンは船上のコンテナに極めて近い位置までトロリーを移動させることができ、荷積み・荷卸し時間を大幅に短縮することが可能です。

しかし、このシステムでは大量の電力ケーブル、通信・制御ケーブル、光ファイバーケーブルが必要となります。問題となっていたのは、これらのケーブル配線の設計です。
従来は、カーテンケーブル方式が採用されており、強風時（風速20m/s以上）にはケーブルが激しく絡まり、復旧に20〜30時間以上の手作業を要していました。

この状態でアームを上下させた場合、ケーブルが損傷するリスクが非常に高く、その結果として高額な修理費用が発生する恐れがありました。

将来的にケーブルの時間とコストのかかるメンテナンス作業を回避するため、運用者は新たなケーブル配線コンセプトの導入を決断しました。
そこで採用されたのが、イグスの樹脂製エナジーチェーン、正確にはガイドロック付きエナジーチェーンでした。
ケーブルの本数が非常に多いため、2本のチェーンを並行して使用する構成が採用されました。

この自由に垂れ下がった2本のチェーンは、コンテナを吊り上げるアーム（ジブ）とクレーンのEハウスを接続し、すべてのケーブルを安全かつ確実にガイドします。
運用者にとって特に重要だったのは、アーム（ジブ）を上下動させる際に、ケーブル配線が動きを妨げない柔軟性を持つことでした。

この新たなケーブル配線への再設計は、設置からわずか数か月で効果を発揮しました。
その後、風速約20m/sを超える日が何日も続いたにもかかわらず、エナジーチェーンシステムや接続されているケーブルに一切のトラブルは発生していません。