ドイツ・ラウプハイムに拠点を置くKässbohrer Geländefahrzeug社は、穿孔機、クレーン、高所作業車、掘削機を、不整地でも運搬できる運搬作業車PowerBullyを開発しました。PowerBullyで使用する部品はすべて、信頼性が高く、泥やぬかるみの中でも、トリップ操作が可能なものでなくてはなりません。最も近い道路でも、数キロ離れていることが多いため、故障は絶対に避けなければなりません。
シャーシのすべり軸受についても、同様のことが当てはまります。シールを広範囲に施していても、泥が軸受部に達することがあります。この場合、ベアリングが焼き付きを起こし、事故が発生することがあります。この現象を防ぐために、この自動車メーカーでは、4つの揺動軸とテンション軸にイグテックスTX1 すべり軸受を使用しています。イグスは、Kässbohrer Geländefahrzeug社専用の軸受を前例のないサイズで製造し、テストを行いました。
適切な素材を求めて
「他のプロジェクトでイグスのすべり軸受を使用したとき、良い結果が出たので、2020年5月にイグスのライナー・ナッサー氏に連絡を取りました」とマリウス・ホルダー氏は語っています。イグスの技術営業コンサルタントであるライナー・ナッサーは「我々は、イグスの3つの材質、金属ベアリング、そして以前使用していた競合他社のベアリングを使ってトライアルテストを実施しました。Kässbohrer社での実際の状況下で、シャフトの長期的試験を行いました」と語ります。
「その結果、イグテックスTX1 すべり軸受が、PowerBullyに最適な材質であることが実証されました。」試験は、ケルンにある3,800平方メートルのイグスの社内試験場にて、標準の高荷重用揺動摩耗試験装置を使用して行われました。摩耗率を測るため、イグスは、外部マイクロメータを使用して、試験前後のベアリングの内径を測定しました。この試験結果により、イグテックスTX1 すべり軸受の耐用年数は、従来のすべり軸受に比べて、8倍も長いことが実証されました。樹脂製すべり軸受の乾燥摩耗率は、約832µm/kmと最も高く、イグリデュールQ2は、約73.5µm/kmと最も低くなっています。潤滑済み金属ベアリングは、最も高い摩耗率(約 199µm/km)を示し、イグテックスTX1 すべり軸受は、最も低い摩耗率(約70 µm/km)を示す結果となりました。