無潤滑ボールカップリング

トレーラーの連結部は、実際に使用するたびに潤滑が必要です。これは非常にコストがかかり、時間もかかります。ロッキンガー・アグリカルチャー社の製品マネージャー兼セールスエンジニアであるトニ・ミルハーンは「週に一度、全ての機械のすべての軸受部を整備・潤滑しなければならない農場を知っています」と話しています。

また、連結部に適切な量のグリースを塗布することも重要です。「過剰な量は潤滑剤の一部が土壌や作物に混入する原因となります。少なすぎると連結部の損傷を招きます」と、キルヒハイリンゲン農業協同組合の植物生産責任者マルクス・ラインレンダーは説明しています。

摩耗インサート付きKS80カップリングは、まさにこの問題を解決します。いわゆる摩耗インサートにより潤滑が不要となり、カップリングの再生に伴う高額なコストを防止します。メンテナンスでは、ボールとカップリング爪をゲージで点検するだけで十分です。ロッキンガー社は摩耗インサートを季節ごとに交換することを推奨しています。

このインサートは、イグスがロッキンガーの用途向けに特別に開発したイグリデュール高機能樹脂で構成されています。全てのイグリデュール材料と同様に、微小粒子状の固体潤滑剤を含む基本成分が材料全体に分散されています。これらは微量に放出され、軸受点を潤滑します。

潤滑不要：ベール圧縮機、ローダーワゴン、肥料散布機、ダンプカー、農薬散布機向けに、ロッキンガー社はイグスが同社専用に開発したイグリデュールシリーズの高機能樹脂を用いたボールカップリング「KS80」を開発しました。このカップリングは高さ調整機構に設置されたカップリングボールと爪で構成されています。

従来通り、連結爪はボールヘッド上部に配置されます。押さえ装置により誤脱着を防止し、隙間のない接続を実現します。この連結器の特異性は連結爪内部にこそ現れます。そこには実験室試験で耐摩耗性が実証された高性能プラスチック製摩耗インサートが内蔵されています。

疲労試験では、4.5トンの支持荷重で200万回の負荷変化に耐えました。ロッキンガー社の試算によれば、ドイツのトラクターの3分の1がKS80と摩耗インサートを装備した場合、約8,300個の連結装置が潤滑不要となり、年間8トンのグリースを節約できるとされています。

イグリデュール® 素材を使用したカスタマイズ部品の詳細