台風下でも稼働する造船所クレーン用エナジーチェーン

導入製品

• スチール製ガイドトラフ内のローラーエナジーチェーン
• チェーンフレックス ケーブル
• 引張／押し力検出センサー：i.Sense EC.P

要件

• 過酷な環境条件（雨・風・海水）に耐える高い耐食性

業界

• 造船

お客様の成果

• 現地での技術相談、エナジーチェーンシステムの据付と検収を実施
• 稼働後も定期点検を継続し、信頼性を維持

Waigaoqiao Shipbuilding Co., Ltd.（SWS）では、造船所クレーン3基の巨大な揚重装置へ電力とデータを供給する最適解の選定が求められていました。
立地条件が特殊であるため、解決策には高い期待値と性能要件が課されました。

同社の大規模港湾施設は、長江河口で長興島港エリアの対岸に位置し、雨や常時に近い強風（ラッシングウインド）、海水（塩水）といった気象・環境の影響を強く受けます。さらに毎年2か月に及ぶ雨季があり、腐食リスクが一層高まるため、エナジーサプライの設計にとって大きな課題でした。

システム停止（ダウンタイム）を回避するには、これらの過酷で攻撃的な環境条件に耐えうる、機能安全性と信頼性に優れたソリューションが不可欠でした。

2001年に全長180m超の走行区間へイグス製エナジーチェーンシステムを導入して以来、現在までトラブルなく稼働。数年前の台風でも運用に影響はありませんでした。
造船所クレーンおよび32トンの資材クレーンへの電力・データ供給は、スチール製ガイドトラフ内で低摩擦に走行するローラーエナジーチェーンによって実現しています。チェーンは高いケーブル荷重と長距離走行、さらに高速走行にも対応する設計です。

エナジーチェーン内のケーブルにはチェーンフレックスを採用。高耐摩耗TPE外被により過酷環境でも耐久性を発揮し、UV、クーラント、潤滑油、バイオオイルによる腐食に強く、–35°C～+100°Cの温度範囲に対応します。

さらに本大規模システムには、押引力検出システム i.Sense EC.P（Push/Pull Force Detection System）も搭載。エナジーチェーンの押引力（変位抵抗）をオンラインで常時監視し、予防保全やリモート対応によってシステム損傷や停止を未然に防ぎます。