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特別な車のハンドル上のアクセルリングで使用されている特殊スライダー

複雑な特殊形状を素早く経済的に製造

  • 要望:複雑な形状の特殊スライダー
  • 製造方法:レーザー焼結法
  • 要件:最適化された摺動特性、無潤滑、耐久性
  • 材質:イグリデュールI3
  • 産業:自動車
  • メリット:費用対効果が高く、少量を素早く製造。無潤滑で耐久性のある部品。
デジタルアクセルリング「Darios」は、足の不自由なドライバーがハンドルを握ったまま加速できるようにしたものです。アルザスのKempf社が開発した、エレガントで控えめなアクセルリングは、安全で快適な運転を約束し、ほとんどのオートマ車に組み込むことができます。底辺が平らなD型ハンドルにアクセルリングを適合させるためにエンジニアが直面した課題は、コーナーでリングを滑らせることでした。解決策は、摺動特性を最適化したイグリデュールI3 3Dプリント材質で作られた特殊スライダーという形で実現され、これにより同社は革新的な樹脂製ベアリングソリューションに与えられるマヌス賞を2019年に受賞しました。

レーザー焼結用材質「イグリデュールI3」を使用することで、イグスの3Dプリントサービスで複雑な特殊部品を短時間で製造することが可能です。イグリデュール高機能ポリマーでプリントされた部品は、耐摩耗性に優れ、寿命予測計算できるのが特徴です。

 
イグスの3Dプリントについて詳しく
イグス3Dプリント:自動車産業のアクセルリング - YouTube アクセルリングの位置は2つのセンサーで検出され、有線でサイドパネルの下にあるコンピューターに送信されます。ハンドルの各モデルは、機構、センサー、DARIOSのプリント基板を最適に組み込むために、3Dスキャナーで計測されます。(出典: Kempf)

問題点

D型ハンドル用のアクセルリングを製造するために、お客様は定期的に特殊スライダーを必要としています。このスライダーは互いに結合されており、金属製リング上の「コーナーを曲がって」スライドします。ハンドル1本に、200個以上の要素が必要です。この動きを実現する唯一のオプションは、多数のアンダーカットを含む複雑な形状の特殊スライダーを設計することであり、それは従来の製造方法では製造が困難なだけでなく、非常に高価なものになってしまいます。Kempf社の運転補助は30年保証付きのため、特殊スライダーには非常に高い耐久性と信頼性が求められます。この部品はアクセルリングのレザースリーブ内に常設されているため、給油することはできません。

解決方法

特殊スライダーの複雑な構造とアンダーカットは、積層造形法でなければ効率的に製造できません。摺動特性を最適化した高性能ポリマーであるイグリデュールI3によって、Kempf社は繊細な要素を3Dプリントするための理想的な材料を得ました。 レーザー焼結法で作られた特殊スライダーは、潤滑剤やメンテナンスを必要とせず、スムーズにコーナーを回ることができます。 注文個数が多い (1回の注文で10,000個以上) にもかかわらず、特殊スライダーは非常に複雑なため、射出成形よりも3Dプリントの方が費用対効果が高くなりました。 

Kempf社のアクセルリング付きハンドル 「Darios」デジタルアクセルリングは、両手をハンドルに置いたまま操作できます。また、片手でハンドルとアクセルを操作し、もう片方の手でハンドブレーキを操作することができます。 (出典: Kempf)

手だけで運転: ハンドル上のデジタルアクセルリング「Darios」

「アクセルリングは、市場で最も品質の高い製品です。その出来栄えは素晴らしく、信頼性は揺るぎないものです。これまでに、技術的な問題もなく合計785,000kmを走行してきました。そう、785,000キロ、つまり地球の19.625周分です。」

これは、Dariosのユーザーから寄せられた多くの熱狂的なお客様の声の一つに過ぎません。Kempf社は製品に最高の品質を求め、すべての運転補助装置に30年保証をつけているため、それも不思議ではありません。

Kempf社は、ポリオを患い歩行困難になったハンス・ケンプ氏によって1955年に設立されました。熱心な機械工であった彼は、両手をハンドルに置いたまま運転できるようにとアクセルリングを発明しました。2002年に亡くなるまで、ケンプ氏が改造した車は10万台を超えました。

Kempf社が開発した手動アクセルシステムは、市場で唯一、車の速度に合わせて加速するシステムです。低速時には穏やかで漸進的かつ経済的な加速を、高速時にはダイナミックな加速を行うことで、より安全な運転を実現し、ドライバーが高速の追い越し操作を正確かつ容易に行うことができます。調整機能、エアバッグ、クラクションなど、通常のハンドル機能はすべて維持されています。ペダルの機能も継続しており、スイッチでDariosを解除することで、他のドライバーが通常の操作を行えるようになっています。
Kempf社の障がい者向けハンドル アクセルリングは、ほとんどのオートマ車に装着することができます。 インテリアのデザインにシームレスに、そしてエレガントにフィットします。 (出典: Kempf)

自由に動くスリーブによる正確な加速

加速するには、リングをハンドル方向に押します。必要な力はごくわずか (約3ニュートン) です。アイドリングからフル加速までのストロークは約18mmしかありません。カーブ後にハンドルを直進位置に戻す際、自由に回転するスリーブにより、ハンドルの位置に関係なく、カーブからの立ち上がり時に正確な加速が可能になります。Dariosの操作時は両手をハンドルに置いたままでも構いませんが、アクセルリングは片手で操作することができるため、もう片方の手でハンドブレーキを操作することも可能です。

上質なレザーで覆われたアクセルリングは、車のインテリアに調和し、要望に応じてレザーの色も選ぶことができます。Darios211が開発されて以来、多くの車が底辺が平らなD型ハンドルを採用するようになりました。このアクセルリングは底辺が平らですが、自由に回転するスリーブも付いています。しかし、底辺が平らなリングにどうやってスライドカバーを装着できるのでしょうか?
3Dプリント部品により、アクセルリングの底辺が平らなデザインが可能になりました。 多くの新車がD型ハンドルを採用しています。 そのため、アクセルリングもD型のデザインにする必要があり、開発者にとっては難しい技術課題となりました。 (出典: Kempf)

イグリデュールI3を使用した200個以上の特殊スライダーが摩擦のない滑りを実現

円形ハンドルではなく、D型ハンドルを装備するという新しいトレンドは、Kempf社のエンジニアに大きな課題を突きつけました。 D型ハンドルには、技術的にも美観的にも、ハンドル同じようにフラットボトムのアクセルリングが必要です。 一見、車の一部のように見える控えめな装置には、実は多くの複雑なディテールが詰まっています。 円形のアクセルリングにスライドスリーブを装着するのは比較的簡単です。 D型アクセルリングを、円形のものと同じように自由に回転するスリーブで覆うには、技術的に複雑なソリューションが必要です。  
 
Kempf社の製品開発者は、イグスの3Dプリントチームと共同でこのソリューションを見つけました。世界初のD型アクセルリングである新しいDarios 211には、摺動特性を最適化したイグリデュールI3を使って、積層造形で製作した部品が使用されています。D型アクセルリングには、このような要素が200個以上もあり、それらがフレキシブルに結合されています。 これらがアクセルリングのD型金属コアの周りにスライドリングを形成することで、スリーブのシームレスなスライドを可能にしています。 この特に革新的なソリューションに対して、Kempf社は2019年のハノーバーメッセでマヌス銅賞を受賞しました。
複雑な形状の3Dプリントされた特殊スライダー Darios 211のアクセルリングには、200個以上の複雑な特殊スライダーがあり、金属製リングの上で革製のスリーブを摩擦なく滑らせることができます。(出典: Kempf)

イグリデュールI3を使用した3Dプリント特殊スライダーの利点

多数のアンダーカットが必要なため、射出成形での製造は非常に複雑でコストも高くなることから、エンジニアは複雑な特殊スライダーを3Dプリントで製造することにしました。積層造形法ではデザインルールの制限がほとんどないため、複雑な形状の部品を経済的に製造することができます。また、金型費用もかかりません。

特殊スライダーの製造材質としてイグリデュールI3を選んだ最も重要な理由の一つは、この材質に含まれる固体潤滑剤でした。これにより部品のメンテナンスは不要で、摩耗がほとんどないため、部品の耐用年数が大幅に延びます。イグリデュールI3は、従来のすべてのレーザー焼結機で加工可能なSLS用パウダーです。粉末をレーザーで溶かしながら何層にも重ねていくことで、微細な構造を正確に再現することができます。部品の大きさにもよりますが、約24時間のプリント工程で数千個の部品を製造することが可能です。お客様にとっては、高いコスト削減効果だけでなく、圧倒的なスピードでの製造・納品が可能になります。さらに、レーザー焼結ならではの特徴として、繊細なパーツのパッケージも同じプリント工程で行うことができます。梱包にかかるコストやそれに伴う作業を回避でき、個々の部品が紛失したり、破損したりするリスクもありません。

イグリデュールI3は、イグスの3Dプリントサービスにおいて、圧倒的に使用頻度の高い3Dプリントプラスチックです。さまざまな摺動用途に適しているだけでなく、3Dプリントギアの市場で最も優れたプラスチックの一つとして、その強みを発揮しています。
イグリデュールI3の詳細情報

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