PFAS(Per- and polyfluoroalkyl substances)は、その優れた技術仕様により、多くの産業プロセスや消費者向け製品に使用されている工業用化学物質です。PFASは、主に炭素 (C)とフッ素 (F) 原子で構成されています。また、PFAS分子の構造は多様であり、これは仕様は無数にあることを意味します。図 1は、PFASの分類を示していて、まず初めに、ポリマーと非ポリマーに分類されています。
PFASは、気体、液体、固体の性状で存在しています。PFASの化合物群は、OECDのデータベースでは4,700種類以上、米国環境保護庁(EPA)では9,000種類以上、EU委員会では10,000種類以上あると報告されています。つまり、PFASは、固有の一定の値でもなく、一貫した値でもありません。通常、記載される値は推定に基づいています。
パーフルオロアルキル物質(非ポリマー)のサブグループでは、パーフルオロオクタン酸(PFOA)とパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)という化合物の研究が最も広く行われています。これらの2つの化合物を含む多くのPFASは、難分解性で、環境、食物連鎖、そして人体にも蓄積されることが確認されています。PFOAとPFOSは、健康に悪影響を与えることが分かりました。PFHxsとPFNAを合わせると、現在のPFAS汚染の90%を占めています。
ポリマーは、フッ素ポリマー&フッ素樹脂とフッ素化側鎖を有するポリマーの2つに分類されます。フッ素ポリマーは、フッ素原子が強力に直接結合した炭素鎖で構成されています。そのため、毒性のある物質に分解されることはありません。
フッ素ポリマーは、毒性がなく、生体蓄積性がありません。つまり、生物の体内に、物質が蓄積することはないと考えられています。唯一のリスクとして、乳化剤という形で製造時に有毒な添加物を使用する場合があるくらいです。フッ素ポリマーは、コーティング、シール、ケーブル絶縁などに使用されています。PTFEは、フッ素ポリマーです。
フッ素化側鎖を有するポリマーも、炭素鎖で構成されており、その側鎖にフッ素原子が結合しています。そのため、ポリマーの強度は低下し、側鎖が失われる危険性があります。使用例としては、含侵材として使われる場合があります。
PFOSは2006年以降、PFOAは2020年7月以降、使用がほぼ禁止されています。イグスの認証は、こちらでご覧いただけます2023年2月7日、欧州5ヶ国(ドイツ、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)は、PFASの一般的な制限に関する提案を欧州化学物質庁(ECHA)に提出しました。規制に関する承認プロセスは長い時間がかかり、この提案がその最初のステップとなります。関係者全員が検討に参加します。
関係者全員が参加する最初の協議は、2023年3月22日から2023年9月22日の予定です。提案されたPFAS規制は、早ければ2026年にEU加盟国で施行される可能性があります。法律が発効すると、最長で13年の移行期間を設けられます。
アメリカ状況―米国環境保護庁(EPA)は、5種類のPFAS物質をPFAS物質リストに追加する最終規則を発表しました。PFAS物質リストとは、170種類以上あるPFAS物質の一覧であり、化学物質について公表を行う際に使用する中央データベース、有害物質排出目録(Toxics Release Inventory、以下「TRI」)です。フッ素ポリマーは、TRIに含まれていません。
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