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【技術者が解説】ケーブルキャリア 使い方のキホン【初心者でも安心】

ケーブルキャリアを扱う方必見!

ケーブルキャリア(ケーブルベア)の使い方や、取付時の注意点などを経験豊富な技術者が解説します。各パーツの名称や、フリースパン走行、スライド走行、上下昇降といった設置方法など、ケーブルキャリアを扱う上での「キホン」も合わせて解説していきます。

ケーブルキャリアとは?

そもそも「ケーブルキャリアとは何か?」というキホンのおさらいです。

ケーブルキャリアは、可動部のロボットケーブルやホースなどを収納し保護案内する機械部品です。

ロボットや工作機械には欠かせない部品で、機械に合わせて動くケーブルの動きを規定することでケーブルに過度な負荷がかかるのを防ぎ、安全にガイド、保護する役割があります。

呼び名はメーカーによってさまざまで、弊社ではエナジーチェーンが登録商標です。
 
ケーブルキャリアについて詳しくはこちら
装置に実装されたケーブルキャリア

エナジーチェーンの構成要素 例としてE4Qのチェーンリンクを示しています。エナジーチェーンの中には、この図と異なるものもあります。

ケーブルキャリアの構成要素

ケーブルキャリア(ケーブルベア)の使い方を解説する前に、ケーブルキャリアを構成する要素と名称についてイグスのエナジーチェーンを例に見ていきましょう。


エナジーチェーンは、相互に接続した複数のリンクで構成されています。両端の取付ブラケットでシステムに接続します。リンクには以下のパーツが含まれます。

① 上部クロスバー(チューブの場合:カバー)
② サイドパーツ – 内面/外面サイドパーツ
③ 下部クロスバー(チューブの場合:ボトム)
④ セパレーター 垂直方向の分割のため
⑤ 分割型棚板 水平方向の分割のため

 

くし歯型ケーブルクランプ

くし歯型ケーブルクランプ ケーブルキャリア内にケーブルを固定する部品です。ケーブルの破損を防いだり、ケーブルの寿命を延ばしたりする効果があります。

取付ブラケット

取付ブラケット ケーブルキャリアの両端に取り付け、システムに接続します。「固定型」と「旋回型」があり、用途によって正しいものを選定する必要があります。

セパレータ(内部仕切り)

セパレータ(内部仕切り) ケーブルキャリア内に収納するケーブルやホース類は、絡まらないように収納する必要があります。内部仕切りを使用することで、直径が大きく異なるケーブルやホース類を分離し、安全に収納することができます。

ケーブルキャリアの使い方と設置方法

ケーブルキャリアはどのように使うかによって設置方法が変わります。主な設置方法は「フリースパン走行」「スライド走行」「上下昇降」の3種類です。どのような使い方の時にどの設置方法が最適なのか解説いたします。
フリースパン走行の例

フリースパン走行

一番メジャーな設置方法。
ケーブルキャリアの上部走行部が、ストローク全体にわたって下部走行部に触れることなく動作するアプリケーションに適しています。
そのため、設置箇所に高さが出せない場合には向いていない設置方法です。
その場合は横置きサイド型を検討しましょう。

ストローク長さは4~5mが適切です。
スライド走行の例

スライド走行

フリースパン走行の応用版。
10~20mでケーブルを動かすアプリケーションに最適です。製品によっては、長い距離を走行することも可能で、イグスの最長エナジーチェーンは615mにわたって走行します。

密閉型がないため、切粉が大量に出る用途には向いていません。この場合はオプションをつけることで使用できるかもしれないので、メーカーに相談しましょう。
吊り下げ型ケーブルキャリア設置方法の例

上下昇降(吊り下げ型)

100m以上の高さがあるアプリケーションに適した設置方法です。
  • エレベータやタワーリフト
  • 地下収納型のサイクルパーク など
横方向の動きがある場合は、ガイドが必要です。
また、動作の方向によって取付ブラケットの種類が異なりますので注意しましょう。
  • 水平動作ー固定型の取付ブラケット
  • 垂直動作ー旋回型の取付ブラケット
たてスタンド型ケーブルキャリアの設置例

上下昇降(たてスタンド型)

短いストロークで、アプリケーションの下方向に制約がある場合に適した設置方法です。
ガイドの設置がマストとなります。

ケーブルキャリアの組立方法

ケーブルキャリアの使い方や設置方法の違いがわかったところで、弊社のエナジーチェーンを例に組立方法をご紹介します。初心者がやってしまいがちなミス注意点なども合わせて解説いたします!
ケーブルキャリア組立時の準備物

組立作業の前に…

【準備物】
  • 組み立てるケーブルキャリア
  • マイナスドライバー
  • 軍手
※注意!※
ケーブルキャリアの組立作業をする際は、安全のために必ず軍手を着用し、足の甲がカバーされる作業靴を履いて行いましょう。

①クロスバーを開ける

ケーブルキャリアのクロスバーの開け方 ケーブルキャリアを組み立てる際は、リンクとリンクを連結させます。連結する際にクロスバーを開けておかないと、ケーブルキャリアが割れてしまうため連結前に必ずクロスバーを開けましょう。

写真(左)のとおり、クロスバーにあるくぼみにマイナスドライバーを差し込み、てこの原理でくいっと持ち上げるとクロスバーが外れます。
その後は手で開けて完了です。

連結するもう一方のリンクも同様にしてクロスバーを開けておきます。

♦ポイント
正しい場所にマイナスドライバーを差し込みましょう!

②連結する

ケーブルキャリアのリンクの連結方法 リンクのピン(凸部)ホールボア(凹部)を合わせて連結します。カチッと音がするまで押し込みます。

③クロスバーを閉じる

最後にクロスバーを閉めて完了です。
この時、ハンマーなどを使うと破損の原因になるので、必ず手で押し込んでください。
カチッと音がすればOKです。

※イグスの製品によってはハンマーを使用して閉めなければならないものもあります。
ケーブルキャリアのクロスバーの閉め方

④取付ブラケットをつける

ケーブルキャリアの取付ブラケットのつけ方 ケーブルキャリアの一番端、つまりシステムに接続する部分に取付ブラケットをつけます。リンクを連結した時と同様に、マイナスドライバーでクロスバーを外し、手で開けます。取付ブラケットをぐっと手で押し込んでカチッと音がすればOKです。

♦ポイント
この時、先に片側のピンとホールボアを合わせてからもう片側を押し込むようにするとつけやすいです。

⑤くし歯型ケーブルクランプをつける(オプション)

くし歯型ケーブルクランプの取り付け方 くし歯はケーブルキャリアの中に収納するケーブルを固定する部品です。オプションですが、使用することでケーブルの破損を防いだり、ケーブルの寿命を延ばすことができます。

使い方は、取り付けたブラケットの溝の部分に、くし歯の凸部分をぐいっと押し込むだけです。

【おまけ】ケーブルキャリアの分離方法

ケーブルキャリアの分離方法 ケーブルキャリアの1リンクだけ交換したい!という時は、ケーブルキャリアを分離する必要があります。
まず、分離したいリンクのクロスバーをマイナスドライバーで開けて、分離中に破損しないよう準備します。リンクが重なっている部分にマイナスドライバーを入れ込んで、入れ込んだままこじるようにしてリンクとリンクを離します。
最後は手で分離して完了です。

♦ポイント
マイナスドライバーを正しい場所に差し込みましょう!

まとめ

ケーブルキャリア/ケーブルベアの使い方は、仕様や設置方法によって異なり、フリースパン走行スライド走行吊り下げ型が主な設置方法だとわかりました。また、ケーブルキャリアを使う上で必要な知識として、組立方法や分離方法もご紹介しました。

イグスではケーブルキャリアの選定などの技術相談を承っております。また、どなたでも無料でご利用いただける選定ツールもございますので、ぜひご利用ください。


※「ケーブルベア」は株式会社椿本チエインの登録商標です。

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