ケーブルの外被材質は、ケーブルが直面する機械的負荷、温度、化学物質など様々な不利な条件からケーブルを保護します。イグスのチェーンフレックス可動ケーブルは、PVC、PUR、TPE外被を提供しています。そうすることで外被材質の混合が要件に適合し、低粘着性かつ高耐摩耗性であることを確実にしています。お客様は用途や外部条件に応じて、異なる外被材質から選択が可能です。
PVC外被は最も経済的な外被材質で、性質上、低負荷向けに設計されており最適な周囲温度は+5°C~+70°Cです。イグスのすべての外被材質同様、PVCはエナジーチェーン内で使用するための耐摩耗性に優れる混合材です。一方、PURはノッチ対策かつ耐油性に優れ、工作機械内での使用に理想的です。さらに、温度範囲は-25°C~+80°Cと幅広く、耐紫外線性に優れています。対照的に、TPE材質は最も高い耐紫外線性、耐油性および耐バイオオイルを実現しています。使用温度は-35°C~100°Cです。
PVC (ポリ塩化ビニル) は、非常に汎用性の高い熱可塑性材料であり、その化学構造と材質の低燃焼性のため、組立ラインだけでなく、包装技術や照明技術でもよく使用されています。強度と絶縁性に優れるため、PVCケーブルは薄い絶縁体としても普及しています。PVCは水分や海水への耐性もあります。PVCケーブルで火災が発生した場合、外被材質に含まれる塩素などの添加物からハロゲンが放出され、人体に危険を及ぼす可能性があります。
低電圧域 (最大1,000V) では、PVCは費用対効果の高い材質としても知られています。イグスは非耐油性、および耐油性コンパウンドを使用したのPVCケーブルを提供しています。
一方
PUR (ポリウレタン) は、ハロゲンフリーで自己消火性のある熱可塑性エラストマーであり、近年ケーブル材質として重要性が高まっています。ある温度までは、PURはゴムのような高い弾性を持っており、この性質により曲げに非常に強いため、ケーブル用としては非常に興味深いものとなっています。強靭な外被材質には、ノッチ強度、低摩耗値、冷間柔軟性などの特性があります。また、
化学的適合性も他の素材より優れています。イグスのPURケーブルは、耐油性・耐クーラント性があり、その構成上、火災時に危険となりうる有毒なハロゲンを一切含んでいません。PURケーブルは、工作機械、プラント建設、セメント工場、塗料産業、自動車産業などで使用されている材質です。
TPEとは、熱可塑性エラストマー (thermoplastic elastomer) の略で、多数の小分類の総称です。TPE-U材料は、主に耐屈曲ケーブルに使用されており、機械的な負荷に非常によく耐え、薬品や
温度などの外部からの影響に対して高い耐性を持っています。TPEは一般的に-35℃〜+100℃の温度範囲に適しています。また、TPEは
ハロゲンフリーでもあります。ハロゲン物質を添加することで難燃性材質としてのTPEも製造可能であり、UL 94-HBに適合しています。特に過酷な環境条件や連続動作を伴う用途のエナジーチェーンで使用されています。TPEケーブルは、クレーン、マテリアルハンドリング、低温環境での用途で普及している材質です。
チェーンフレックスケーブルのソリューションとその用途分野は、要件やアプリケーションと同様に多様でユニークなものです。