エナジーチェーンのケーブルドラム置換事例：下水処理場

形状

• 要望:LBTフリッツシステム、E2型エナジーチェーン、E 250.07.100.0、ガイドチャンネル、チェーンフレックス特殊ケーブルCF9、CF10およびCF31、横方向の動きを補完するフローティングムービングエンド  
• 要件:厳しい気象条件（太陽、霜、雨）、硫化水素などの悪性ガス、落ち葉や雪にも対応し、24時間の連続稼働でもトラブルフリーの運転を実現  
• 産業分野:下水処理場
• お客様のメリット:厳しい環境下での信頼性の高いエネルギー供給システム、メンテナンスの大幅な削減

問題点

廃水処理設備において、廃水はまず、いくつかのろ過工程を持つ沈砂池に入り、その後、第一沈殿池で汚泥を沈殿させてから抽出されます。2つの第二沈殿池では、継続的に入ってくる生物汚泥がスクレーパーによって均一に分散され、沈殿後にポンプ場を介して槽外に排出されます。 2つの第二沈殿池のうち1つは長方形です。そこには歯車駆動によって速度1m/minで稼動する縦スクレーパーが設置されており、24時間365日、長さ38m、深さ3.15mの槽内の汚泥を継続的に分散します。   スクレーパーは、ポンプと同様、水面下でエネルギーおよび制御信号を必要とします。
エネルギー供給システムは、屋外で動作するため、日差しや霜、雨に強いだけではありません。  硫化水素のような悪性ガスも排水処理中に発生し、大きな課題となっています。  また、落ち葉や雪がケーブルの動きを妨げることもあり、注意が必要です。 そして同時に、システムが24時間トラブルなく作動することも確認しなければなりません。 これは、オンコールサービスを予定外に利用するたびに、追加の内部コストが発生するためで、このことはアッガー川管理組合で決められています。
当初は、エネルギー供給にケーブルドラムを使用していました。 担当者にとってこの解決策はあまり満足のいくものではありませんでした。ケーブル1回の往復ごとに軽いねじれが発生するため、結果としてケーブルの磨耗を早めていたからです。
 

解決方法

その下水処理場に適したソリューションを探していた担当者は、イグスの電力供給製品に求めていたものを見つけました。 イグスのLBTフリッツシステムは、モジュラー式で使用条件に合わせて調整可能な耐候性のある電力供給システムです。 価格の面でも、このシステムは、特にカーテンレール式のソリューションと比較して、良い選択肢です。  エナジーチェーンには、イグスのE2シリーズ、250.07.100.0を設置しました。  これは、サポートフレームに取り付けられた射出成形ガイドレールで構成されたガイドチャンネルの中を走ります。    チャンネル上部が閉じているため、雪や葉がガイドチャンネル内のエナジーチェーンの動きを妨げることはありません。 第二沈殿池には、合計38メートルのガイドチャンネルが設置されました。 このチャンネルに使用されている特殊なチェーンフレックスケーブルの長さは約20ｍで、ポンプ3台と搬送モータ用の電気ケーブルのほかに、信号ケーブル16本、Profibusケーブル1本が収められています。 イグスのチェーンフレックス特殊ケーブルCF9、CF10およびCF31は、外被覆材にTPEを使用しており、最小曲げ半径5×d、温度範囲-25℃～+100℃で使用可能です。
このデザインの縦スクレーパーでは、常に横ずれ（150ｍｍまで）が発生します。この横ずれの調整として、イグスは低コストのフローティング移動端を開発し、スクレーパーブリッジの移動アームに取り付けました。
樹脂部品と金属パーツは永久に腐食から守られます。