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皆さんは、次のような経験をしたことはあるでしょうか。休暇が終わり帰路に就くため、ホテルの部屋で大急ぎで荷造り。荷物を整理してスーツケースに詰め込もうとするのですが、スペースに収まらないことに気づきます。行きの荷造りでは問題なく収まったのに、何が起こったのでしょうか。
機械設計で限られるスペース
機械・プラント設計でも同様に、利用可能なスペースの縮小は課題となっています。機械はコンパクト化に伴い要件が高まっていき、それは使用するケーブルについても同様です。温度センサーやブレーキ向けの通常の駆動用ケーブルに加えて、バス伝送や計測システム向けのケーブルも必要となります。また、機械の設計でコンパクト化が進んでいるため、エナジーチェーン内の全ケーブルに対する機械的要件が厳しくなっています。

イグスでは、スペースが限られた用途や、動作の要件が非常に高い用途に向けて、ハイエンドTPEケーブルを提案しています。エナジーチェーンに適合する PVC および PUR 外被材質に加え、これらの代替として最適な外被材質を複合ケーブルCF29.DとエンコーダケーブルCF11.Dで使用しています。これらのケーブルは、ハロゲンフリーの TPE外被、それに最適な撚り構造およびシールド構造を備え、わずか 6.8xd の曲げ係数を実現します。そのため、一例として前述の複合ケーブル (4Gx1.5 + (2Cx1.5)S)Sで外径13mmの場合、115mmまたは195mmだった許容曲げ半径を、85mmまで小さくすることができます。
つまり、CF29.Dは市販のPUR複合ケーブルと比較して、機械内のスペースを230%削減することができます。
これは、必要なスペースが、エナジーチェーンの半径の2倍に、各チェーン高さを加えたものであるためです。

スーツケースのスペースは、次回大きいものを購入すれば簡単に解決します。しかし、機械・プラント設計においては、機械のコンパクト化は今後も続くため同様の選択肢は取れません。そこでチェーンフレックスのハイエンド TPE ケーブルが、ドライブ技術で常に直面するスペース問題の解決策となります。最大36ヶ月無償交換保証付きで耐用年数を確保した製品で、最小の曲げ半径を簡単に実現します。
こちらで、個々の用途に応じた予測寿命を計算し、比較することができます。また、当社にお問い合わせいただければ、最適なケーブルをお探しします。
チェーンフレックスケーブルは、社内試験施設でテスト済みです。(例:CF29.Dの耐久テストを行った試験番号5034で4,500万ストロークを超える)
こうした機械やシステムは、行き当たりばったりの荷造りとは異なり、慎重に計画されます。エナジーチェーンと、そこに収納するケーブル用のスペースは、非常に小さいことを十分考慮して設計しなければならないのです。一般的なPUR複合ケーブル (4Gx1.5 + (2Cx1.5)S)Sの外径は、11.5mm~13mmです。通常の曲げ係数10xd~15xdの許容曲げ半径は、条件が良い場合で115mm、条件が厳しい場合で195mmとなります。条件に応じて機械の設置スペースも小さく、あるいは大きくする必要があります。