イグリデュールJ200は、すべり軸受の摩擦をとくに小さくするために開発しました。 とくに直線運動では、摩擦が決定的な役割を果たします。 高荷重下では多くの材質が優れた摩擦係数を示しますが、イグリデュールJ200は、これが低荷重においても非常に優れています。
| 一般的特性 | 単位 | イグリデュールJ200 | 試験方法 |
| 密度 | g/cm³ | 1,72 | |
| 色 | 濃灰色 | ||
| 最大吸湿率(23℃/相対湿度50%) | 重量% | 0,2 | DIN 53495 |
| 最大吸水率 | 重量% | 0,7 | |
| 滑り摩擦係数、動、対スチール | μ | 0,11-0,17 | |
| 最大pv値(無潤滑) | MPa x m/s | 0,30 | |
機械的特性 |
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| 弾性率 | MPa | 2800 | DIN 53457 |
| 曲げ応力 20° | MPa | 58 | DIN 53452 |
| 圧縮強度 | MPa | 43 | |
| 最大推奨面圧 (20℃) | MPa | 23 | |
| ショアD硬さ | 70 | DIN 53505 | |
物性、温度特性 |
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| 長期使用最高温度 | °C | +90 | |
| 短期使用最高温度 | °C | +120 | |
| 上限短期周辺温度1) | °C | +140 | |
| 最低使用温度 | °C | -50 | |
| 熱伝導率 | W/m x K | 0,24 | ASTM C 177 |
| 熱膨張率 (23℃) | K-1 x 10-5 | 8 | DIN 53752 |
電気的特性 |
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| 比容積抵抗 | Ωcm | > 108 | DIN IEC 93 |
| 表面抵抗 | Ω | > 108 | DIN 53482 |
| 1)追加荷重がない; 滑り運動がない; ベアリングの緩みが出る場合がある | |||
イグリデュールJ200は、すべり軸受の摩擦をとくに小さくするために開発しました。 とくに直線運動では、摩擦が決定的な役割を果たします。 高荷重下では多くの材質が優れた摩擦係数を示しますが、イグリデュールJ200は、これが低荷重においても非常に優れています。
図02: 最大推奨面圧 - 温度による変化 (23 MPa 、+20 °C)
X = 温度 [°C]
Y = 荷重 [MPa]
図03: 変形 - 荷重と温度
X = 荷重 [MPa]
Y = 変形 [%]
最大推奨面圧は、材質の機械的特性を示します。
したがって、摩擦特性への言及はできません。 温度上昇と共に、イグリデュールJ200製すべり軸受の圧縮強度は低下します。
図2は、この関係を明確にしました。
最大荷重23MPa以下、3.5%の形状変化量 塑性変形は、この荷重下においても起きません。 この結果は、作用時間によって異なります。
| m/s | 回転 | 揺動 | 直線 |
| 連続 | 1 | 0,7 | 10 |
| 短時間 | 1,5 | 1,1 | 15 |
イグリデュールJ200は摩擦係数が非常に優れているので、高い滑り速度が可能です。 回転時の速度(長期)は1 m/sが可能です。 直線運動および短期では、これよりさらに高い速度が許容されます。 直線試験では、速度15m/sを超えて成功しています。
| イグリデュールJ200 | 使用温度 |
| 下限 | - 50 °C |
| 上限、長期 | + 90 °C |
| 上限、短期 | + 120 °C |
| アキシアル追加保護が必要になる温度(これを超えた場合) | + 60 °C |
最大許容温度120度を超えての使用は推奨しません。 加えて、摩擦による熱量を考慮する必要がございます。 温度 +60 °C以上では、ベアリングを機械的に固定することで、穴から緩むのを防ぐ必要があります。 磨耗耐性も、温度 +70 °C で大きく減少します。
図04: 摩擦係数とスピード、 p = 0,75 MPa
X = スライド速度 [m/s]
Y = 摩擦係数μ
図05: 摩擦係数と荷重、 v = 0,01 m/s
X = 荷重 [MPa]
Y = 摩擦係数μ
すべてのイグリデュール材質中で、イグリデュールJ200は最低の摩擦係数を示します。 すべての寸法における摩擦係数の平均値は異なるシャフト材と同時に使用しても約0.11μです。 相手材として、硬質アルマイト処理アルミニウムは特に重要になっております。
通常のイグリデュール材質と比べて、イグリデュールJ200製スライドベアリングはむしろ低荷重に向いています。 スライド速度と荷重が摩耗係数に及ぼす影響は、それほど大きくありません。 荷重による摩耗係数の低下は、通常の範囲内です(図04 および 05)。 軸粗度は、範囲0.2 ~0.4 Raが最良です。 しかし耐磨耗性では、軸の影響が非常に大きくなります。 荷重が小さい場合でも、幅広いデータを揃えた「磨耗データバンク」をチェックすることをお勧めします。
| イグリデュールJ200 | 無潤滑 | グリス | 油脂 | 水 |
| 摩擦係数 µ | 0,11 - 0,17 | 0,09 | 0,04 | 0,04 |
図06: 磨耗、さまざまな軸材質を使用、回転( p = 1 MPa, v = 0,3 m/s)
X = 軸材質
Y = 磨耗 [μm/km]
A = アルミ、硬質アルマイト処理
B = 快削鋼
C = S50C
D = S50C、 クロム硬化
E = STKM12A
F = SUS304
G = SUS440B
磨耗耐性に大きな影響を与えるのは、使用した軸材質です。すべての軸材質が(柔軟あるいは硬化軸)イグリデュールJ200との使用に適しますが、最良値は陽極硬化アルミニウム軸との組合わせで得られます。 とくに直線使用で、その特性が発揮されます。
図07:揺動時および回転時における軸材質Cf53(S50C)についての摩耗量と面圧の関係
X = 荷重 [MPa]
Y = 磨耗 [μm/km]
A = S50C, 揺動運動
B = S50C,, 回転運動
| 媒体 | 耐性 |
| アルコール | + |
| 炭化水素 | + |
| グリス、油脂、無添加 | + |
| 燃料 | + |
| 希釈酸 | 0 ~ - |
| 強酸 | - |
| 希釈アルカリ | + |
| 強アルカリ | + ~ 0 |
| 比容積抵抗 | > 108 Ωcm |
| 表面抵抗 | > 108 Ω |
イグリデュールJ200製スライドベアリングは希釈アルカリ、溶剤、そしてほとんど全ての潤滑剤に耐性があります。
イグリデュールJ200製スライドベアリングは、放射線強度3 x 10² Gyまでの耐性があります。
イグリデュールJ200は、紫外線耐性が非常に優れています。
真空での使用は、条件付でのみ可能です。 真空では、イグリデュールJ200は乾燥した状態でのみ試験可能です。
イグリデュールJ200製スライドベアリングは電気的に絶縁です。
イグリデュールJ200製スライドベアリングは、受注生産です。
| 最大吸湿率 | |
|---|---|
| +23 °C/50 %時の相対湿度 | 0,2 水-% |
| 最大吸水率 | 0,7 水-% |
図10:吸湿率
X = 湿度吸収 [重量%]
Y = 内径Øの縮小 [%]
イグリデュールJ200製スライドベアリングの湿度吸収率 は標準環境でおよそ0,2 %。 水中での飽和限界はおよそ0,7 %。 この値は非常に低いため、湿度吸収による膨張を考慮に入れなければならないのは、非常に極端なケースのみです。
| 径 d1 [mm] |
軸 h9 [mm] |
イグリデュールJ200 E10 [mm] |
ハウジングH7 [mm] |
| 3まで | 0 - 0,025 | +0,014 +0,054 | 0 +0,010 |
| > 3 bis 6 | 0 - 0,030 | +0,020 +0,068 | 0 +0,012 |
| > 6 bis 10 | 0 - 0,036 | +0,025 +0,083 | 0 +0,015 |
| > 10 bis 18 | 0 - 0,043 | +0,032 +0,102 | 0 +0,018 |
| > 18 bis 30 | 0 - 0,052 | +0,040 +0,124 | 0 +0,021 |
| > 30 ~50 | 0 - 0,062 | +0,050 +0,150 | 0 +0,025 |
| > 50 ~80 | 0 - 0,074 | +0,060 +0,180 | 0 +0,030 |
| > 80 ~120 | 0 - 0,087 | +0,072 +0,212 | 0 +0,035 |
| > 120 ~180 | 0 - 0,100 | +0,085 +0,245 | 0 +0,040 |
イグリデュールJ200製すべり軸受は、公差hで設計した軸(最小でもh9を推奨)に対応する標準ベアリングです。 ベアリングは H7公差で圧入するよう設計されています。 公称寸法H7で受け穴に組込み後、ベアリング内径はE10公差に自然に調整されます。 特定の寸法については、公差は肉厚によって異なります(製品概要表をご覧下さい)。
