モーション・プラスチックのサステナビリティ
プラスチックは話題性のある素材です。私たちは、高機能プラスチックが資源保護や環境保護に貢献できることを知っており、それを企業活動の中心に据えています。
 
私たちは、プラスチックを「使用前」「使用中」「使用後」の3つの段階で捉えています。 このページでは、製品や日常生活におけるイグスの持続可能性についての回答をご紹介します。 まだすべてに答えが出ているわけではありませんし、特に持続可能な生産に関しては、まだ答えや解決策を模索している段階です。
未だ解決していない問題点:
  • 原材料の生産に伴うガスや化学物質の排出 
  • 使用時の摩耗 
  • 化石原料である石油への依存度
目標:
  • 2025年までに、私たちの建物と生産活動をカーボンニュートラルにしたいと考えています。

イグスCO2フットプリントロゴ

気候中立(クライメイト・ニュートラル)に関する最新情報

2021年、 CO2排出量を2020年比で31.2%削減 しました。この数値は、スコープ1とスコープ2の排出量に関連しています。2021年半ばのグリーン電力への転換と、2021年10月のクライメイト・ニュートラルガスへの転換が、ここで重要な役割を果たします。 
スコープとは?イグスのブログ記事へ(※英語)

プラスチックの3つの段階

使用前 ...

プラスチックや部品の生産

スチール、アルミニウム、プラスチックのエネルギーバランスの図表

エネルギーバランス

1m³のプラスチックを製造するために必要なエネルギーは、1m³の鉄やアルミニウムを製造するために必要なエネルギーの約50%です。
プラスチックのオイル消費量のグラフ

オイルの消費量

高機能プラスチックの生産は、世界の石油消費量のわずか0.5%に過ぎません。
RheinEnergie社グリーン電力シール

消費電力

当社は100%グリーン電力を購入し、 機械設備の電力消費を抑えています。エネルギー効率が40%向上した射出成形機を導入し、古い機械と置き換えます。 2021年は、生産時間を増やしながらもエネルギー消費量を11%削減しました。 
Icon cycle

99% リサイクル

射出成形の生産で発生するリジェクト品(スプルー、不良品)の99%はリサイクルされ、製造工程に戻されます。
Icon magnifying glass

クリーンイグスプロジェクト

磁気フォイル、ガイドプレートなどの機械的な対策により、生産工程で部品が落下し廃棄物になることを防ぎます。これらの施策により、2021年の廃棄物比率(生産廃棄物+被加工材)を21%削減しました。 

環境・気候の認証

ISO 14001 画像

環境マネジメント規格 ISO 14001

環境方針を透明で分かりやすいものにするため、2019年に環境マネジメントシステムの国際規格であるISO 14001の認証をイグス・ドイツ本社が取得しています。これにより、カーボンニュートラルな工場を目指すことができます。
ISO 50001 画像

エネルギーマネジメント規格 ISO 50001:2018

イグス・ドイツ本社のエネルギー管理システムは、国際規格の認証を受けています。ISO 50001規格の主な目標は、システムとプロセスを設定することにより、企業がエネルギー関連のパフォーマンスを向上させるよう支援することです。

使用中 ...

使用中のプラスチック

無潤滑

年間2700万トンの油脂が世界の環境を汚染しています。 私たちの樹脂は潤滑油を必要としません。
オイル缶と地球
世界で販売されている潤滑油の50%が、環境中に排出されている。  (出典: M. P. Schneider, 2006)
オイルボトルと飲料水ボトル
1リットルのオイルが1,000,000リットルの飲料水を汚染。 (出典: Saskatchewan Association for Resource Recovery Corp., 2008)
車のシルエット
乗用車の総燃料消費量の1/3は、エンジン、ギヤボックス、タイヤ、ブレーキの摩擦に使われている。 (出典: K. Holmberg, P. Andersson, A. Erdemir, 2012)
オイルバレルで表した世界地図
世界の潤滑油需要は年率2%で増加すると予測 = 2019年には4540万トン。   (出典: The Freedonia Group, 2015)
サステナビリティ - 耐久性の高い製品

製品寿命

私たちのプラスチックは、摩耗に対して最適化されています。 腐食せず、グリスや汚れの影響も受けません。 長持ちするので、頻繁に交換する必要がありません。 当社試験施設での数多くのテストにより、正確な製品寿命を算出することができます。 
さらなるサステナビリティ - 軽量化

軽量

プラスチックはスチールよりも軽量なため、動かすのに必要なエネルギー量も小さくなります。 飛行機内において、もし金属複層軸受の代わりにイグリデュールすべり軸受が使用されると約4kgの軽量化になります。 これにより燃費が向上します。
サステナビリティ - 低摩擦

省エネルギー

私たちの樹脂は、トライボロジーの観点から最適化されており、低摩擦を実現しています。 また、軽量化により、機械部品を動かすための駆動エネルギーが少なくて済むようになりました。
サステナビリティ - スマートプラスチック

予知保全

「部品が寿命に達するまで交換しない」というのが私たちのスマートプラスチック製品の背後にあるアイデアです。 センサが摩耗を検知し、必要な時に部品は交換されます。資源は慎重かつ合理的に活用されます。
サステナビリティ - ベアリング交換

交換可能なパーツ

摩耗発生時にアプリケーション全体を交換する必要がないということが、リニアガイド用の交換ベアリングを開発したときの主要なアイデアの1つでした。 レールを損傷することなく、ベアリングハウジングを再利用できます。これは資源を節約し、費用を削減します。
サステナビリティ - イグリデュールN54

バイオポリマー

イグリデュールN54で、再生可能資源を54%使用したすべり軸受を開発しました。 バイオポリマー製ベアリングは、部品を持続可能にできることを示しています。

使用後 ...

使用後のプラスチック

従来型リサイクルの図

チェーンジリサイクルプログラム

イグス・ドイツ本社では、使用済みプラスチック製エナジーチェーン(ケーブル保護管)をメーカー問わず回収し、リサイクルしています。当社のプログラムはユニークで、2022年9月にラインラント ビジネス賞の「サステナビリティ」部門を受賞しました。回収したプラスチック材は、当社の再利用に回すか、リサイクルパートナーに提供します。お客様には、お送りいただく使用済みエナジーチェーンの重量に応じたバウチャーをお渡ししています。2021年12月現在、すでに25.97トンの材料を受け取っています。ぜひお送りください。(日本未対応)
Hydro Plastic Recycling Solutionの図

HydroPRS リサイクル

未分類のプラスチック廃棄物の油化処理を20分で行う新技術、HydroPRS(Hydro Plastic Recycling Solution)を採用しているMura Technology社に500万ユーロを出資しました。圧力、温度、水で資源を守ります。2021年4月に第1大規模工場の建設が始まり、Mura Technology社に協力する企業が増えています。 

資源保護プロジェクトと取り組み

ケルン近郊のライン川に設置されたごみトラップ

ラインオクトパス(「Rheinkrake」)- 浮遊式ごみ収集トラップを支援

毎日、大量のごみがライン川から北海へ流れ込んでいます。その量は非常に膨大です。ケルンにある団体、K.R.A.K.E.(「Krake」はタコの意味)は、長年にわたりライン川周辺のごみ問題に積極的に取り組み、ごみ収集活動を行ってきました。2022年9月、同団体は浮遊式のごみ収集トラップを採用し、さらに大きな一歩を踏み出しました。水面に浮遊するごみは、ロンドン式のパッシブトラップの中に流れ込み収集されます。団体メンバーは、ごみトラップで収集されたごみを定期的に陸に揚げて記録し、その後、ボン大学の協力のもと科学的な評価を行います。これにより、ライン川におけるプラスチックごみの長期的な調査が可能になると期待されています。イグスは、この勇気あるプロジェクトのスポンサーであることを嬉しく思うとともに、プロジェクトの成功を願い、その取り組みに感謝します。

森林と草地

植樹

最初はお客様へのクリスマスプレゼントとして始まりましたが、今ではドイツだけでなく、トルコやメキシコ、インドなどでもいくつかのキャンペーンが行われています。苗木から大きな都市の樹木まで、大小のキャンペーンで木や茂みを植えて世話をしています。大規模な植樹エリアを新たに創出することで、大気中のCO2軽減に役立つことを願っています。

陸電システム用ソケットの3D画像

陸上電力でコンテナ港の汚染物質排出対策

港湾でコンテナ船のディーゼル発電機を稼働させることは深刻な問題です。これらは、環境および大気中に、微細な粉塵、窒素、硫黄酸化物、CO2を放出します。当社は、2022年に移動式陸上電力供給システム(iMSPO)を開発しました。これは、コンテナ船に陸上電力を簡単、迅速、そして何よりも柔軟な方法で供給できる自走式のソケットです。環境にやさしい製品を使うことで、「ゼロエミッション港」の実現に大きく近づくことができます。

修理中のラップトップ

PC類のセカンドライフ

製品寿命を過ぎた電化製品をイグスはどうするでしょうか?最近まで、そうした製品は廃棄物として大量に処理されていました。年間最大5トンもの電子廃棄物が発生していたのです。それは今や過去の話です。イグスの研修生で構成される「reguse」というワーキンググループは、電子廃棄物の中から、例えばノートパソコンやデスクトップ、モニターなどのまだ使用できるものを回収しています。そして、古いデバイスを再調整し、イグス社員に安価で提供したり、学校や協会などに寄付したりします。その収益は、サステナブルなプロジェクトに充てられます。

igus:bike

リサイクルとモビリティの融合 ― igus:bikeプロジェクト

錆びない自転車。メンテナンスも潤滑油も不要です。イグスは強力なパートナーと共に、未来の都市型自転車を作っています。フレームからベアリング、歯付きベルトに至るまで、90%以上がプラスチック製で頑丈、耐久性に優れます。原材料の多くは、プラスチック廃棄物からのリサイクル品でカバーできます。詳細はこちらをご覧ください。

世界各地の省資源の取り組み


サステナブルなイノベーション 2022