樹脂すべり軸受/ブッシュ「イグリデュール」とは?


「イグリデュール」は、イグスが独自に開発し特別な特性を備えた高機能樹脂自体、及びその樹脂から製造したすべり軸受を意味します。その特別な構造により、耐摩耗性、弾力性、そして自己潤滑性に非常に優れています。 また寿命を正確に予測できます。 さらに、樹脂コンパウンドの違いにより多くの種類があり、各材質に固有の特性と強みを持ち、これにより特殊な用途に対応します。

イグリデュール樹脂の構造とは?

すべてのイグリデュール樹脂は、ベースポリマー、繊維及び充填材、固体潤滑剤という3要素で構成されています。 汎用性がある1つの材質ですべての問題に対応することはできないため、様々なイグリデュール材質があります。 どの材質も、3要素の構成および使用用途がそれぞれ異なります。

ベースポリマー

イグリデュール ベースポリマー ベースポリマーは、イグリデュール素材の耐摩耗性のために非常に重要です。 ベースポリマーにより、固体潤滑剤に過度の接触圧力がかからないようにします。  

繊維及び充填材

繊維を用いたイグリデュール ベースポリマー 繊維および充填材が材質を強化し、高い面圧や局部荷重に対応し、連続的に負荷がかかる用途での使用を可能にします。  

固体潤滑剤

繊維と固体潤滑剤を用いたイグリデュール ベースポリマー 固体潤滑剤は軸受を自己潤滑し、摩擦を軽減します。 固体潤滑剤は微細粒子で、材質全体に分布しています。

自己潤滑の仕組みは?

数百万もの固体潤滑剤が、主に繊維で強化された樹脂材質の中の小部屋に埋め込まれています。その材質は、運転中にこれらの小部屋から微量の固体潤滑剤を放出します。これにより摺動面を充分に潤滑させることが可能です。

さらに、固体潤滑剤はイグリデュール材質の摩擦係数を下げる役割を果たします。それはベアリングの構成に不可欠ではありませんが、骨材の役目を果たします。固体潤滑剤は小部屋に埋め込まれているので、表面から流出することはありません。

イグリデュール材質を使用している場合は、自己潤滑性によりメンテナンスを最小限に抑えることができます。固体潤滑剤を配合することで、定期的な潤滑油補充は必要なく、ゴミやホコリが軸受に付着することもありません。
繊維と固体潤滑剤を用いたベースポリマー、200倍に拡大、着色済み 繊維と固体潤滑剤を用いたベースポリマー、200倍に拡大、着色済み

試験施設での試験及びイグスのオンラインツール

寿命予測計算可能

イグリデュールは、実際の使用条件に基づいた数千回の試験を受け、数百万回の使用で実証されています。 試験から得られた試験データは当社の無料オンラインツールに登録され、ツールを使用してイグリデュール樹脂を使用したすべり軸受、半製品、旋回ベアリングなどの寿命を正確に予測することができます。

摩耗試験:イグリデュールと他のプラスチックとの性能比較

試験パラメータ:

  • 旋回
  • 速度 v = 0.3m/s
  • 荷重 p = 1N/mm²
  • 軸材質:SUS304
試験結果で、ベースポリマーの違いにより寿命が大きく異なることが分かりました。イグス独自のベースポリマーを混合したイグリデュールは、他に比べて高い値を達成しています。
イグリデュールの摩耗性を他のプラスチックと比較

すべり軸受の比較

イグリデュールすべり軸受と金属軸受・焼結軸受・ニードルベアリングとの比較

イグリデュールすべり軸受と金属軸受・焼結軸受・ニードルベアリングとの比較や、各軸受の長所および短所についてご紹介します。

イグリデュール材質についてさらに詳しく

イグリデュール材質は、どの程度の荷重や面圧に適しているのでしょうか?摺動速度はどのくらいで、材質の許容温度はどのくらいでしょうか?これらの質問に対する回答はこちらで確認いただけます。

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