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アクセスを制限

エレベーターシステムのチップカードリーダーで使われるスペシャルケーブル

貯蓄銀行に設置された複数のエレベーターが地下エリアを含む11階建ての建物内で稼働しています。顧客には全フロアへのアクセスは許可されていません。 これはシステムによって管理されています。 このために必要となるバス信号は、吊り下げ用途による高いプッシュプル力に耐えるスペシャルケーブルによって伝送されています。

「2011年、ルートヴィヒスハーフェンのオフィスで使われているエレベーターシステムを交換しました」と話すのはSparkasse Vorderpfalzの建設部門トップ、ミハエル・クラウス氏です。 「積載荷重650kgの乗用エレベーターが2基、積載荷重1.1tの荷物用エレベーターが1基あります。 この3基が1つのシャフトを共有していることが大きな特徴です。 エレベーターは建物のすべての階に止まります。しかし特定の階には従業員しか降りないよう、システムが管理されています。 それ以外の階へのアクセスも、必要に応じていつでもブロックすることが可能です。 通信データはエレベーターの設計業者によってオンラインで保管されます。 電話を一本かけるだけで済みます。」
 
銀行からの要件は当初からはっきりしていました。 従業員用の既存のアクセス管理システムをエレベーターに移行し、既存のチップカードを銀行へのアクセスやエレベーターの運転に使えるようにする必要がありました。 しかし、技術面の導入は当初考えていたよりも難しいことが判明しました。 エレベーター業者は、既存のカードリーダーに接続できるバスケーブルを提案することができませんでした。 解決策を示してくれたのは、銀行の電気工事請負業者でした。

スペシャルバスケーブル_1

彼らはアクセス管理システムを拡張し、エレベーターシステムでも使えるようにしました。 既存のカードリーダーはチェーンフレックス スペシャルケーブルによって接続されました。

 

「担当者から、産業用の長い吊り下げ用途向けの非常に堅牢なバスケーブルを使うよう勧められました」クラウス氏は振り返ります。 「しかし、当時そのケーブルはまだテスト段階でした。 それでも、とにかく使ってみることになりました。 あの時の決断は間違っていませんでした。」

スペシャルバスケーブル_2

紫色の外被のバスケーブルは、それ自体の重さですぐに壊れてしまうかもしれません。 吊り下げアプリケーション用に強化設計された黒い外被のスペシャルケーブルは、高い荷重を吸収します。

 

スペシャルケーブルの技術的メリット
 
エレベーターシステムに使われているのは、イグスの吊り下げ用途向けチェーンフレックス スペシャルケーブルCFSPECIAL182.045です。このスペシャルケーブルは、必要とされたすべての基準や指針の要件より優れ、引張強度においても要件を大きく上回っています。 2012年に発売されたCFSPECIALシリーズには厳しい環境向けのケーブルが加わり、製品ラインアップを拡大しました。 このシリーズには、鉄道用途向けや高い引張強度に対応できるケーブルなどのスペシャルケーブルがあります。
スペシャルケーブルには、幅広いメリットがあり、 通常のエナジーチェーンでは対応できないアプリケーションのためのソリューションを提供しています。 拡大し続ける製品ラインアップがすべての業界のお客様の要件に対応し、用途に合わせたソリューションが開発・試験されています。

「我々はほぼすべてのアプリケーションエリアに向けた適切なケーブルを製造しています。そして、その過程で様々な種類の材質や工程を採用しています」イグスのプロダクトマネージャー アンドレアス・ムッケスは説明します。 「構造によっては、500mもの長さに対応できる場合もあります。」 イグスの自社試験施設では、様々なケーブルの動きについて長いストローク、短いストロークで試験しています。ここで重要なのが曲げ半径と捻回角度です。 可動部の厳しい環境向けに適切なケーブルコンセプトを見つけることが常に必要です。 そのために、研究開発の一環として毎年20億回もの往復が実施されているのです。

防弾仕様のスペシャルケーブル
エレベーターシステムのデータ伝送を担うスペシャルケーブルは、シャフト内でガイドなしで吊り下げられ、発生する荷重を簡単に吸収します。 このケーブルは通常のイーサネットケーブルと同じ4Pのワイヤ構造になっていて、TPE内被と曲げ動作に強い編組シールドがついています。これらのケーブルの標準的なバスケーブルの違いは、被覆の構造にあります。 黒色の外被は、アラミド繊維ケブラーを混合した低粘着製PURでできています。 「材質は、防弾ベストの材質と似ています」とムッケスは説明します。 技術的構造はシンプルに聞こえますが、非常に複雑です。薄い被覆の上に特殊繊維が編組されます。 その後の外被の製造によってこれらの被覆は材質に埋め込まれ、外部から加わる力を吸収します。
 
試験結果によると、スペシャルケーブルは引張テストでDIN VDE 0298で求められる基準より15,000%高い性能を示しています。2,919Nのトルクで締められても、ケーブルは断線せず長期間不具合なくデータ伝送が行われました。 システムで使用されるケーブルの長さは74mです。

スペシャルバスケーブル_3

スペシャルケーブルはエレベーターシステム内でガイドなしで吊り下げられています。 不具合もなく確実に稼働しています。

 

通常のバスケーブルはそれ自体の重量で、すでに使用することができません。 支えるものがないということは、15N/mm²までの荷重しか耐えられないことを意味します。 一方、ガイドなしの吊り下げ型スペシャルケーブルは性能を落とすことなく1km以上のストロークで使えます。 「これは我々にとって理論上ビルの高さを大幅に高くできるということを意味します」建設部門のマネージャーは話します。 まずは、安全面を強化しデータ記録の測定を行うため、エレベーターシステムに追加のケーブルが設置されました。エレベーターシステムは非常に頻繁に使われます。 システムが稼働してからわずか半年で、56,970回の移動を記録しました。2年後には、不具合のサインもないまま16万回に到達するでしょう。 「システムが保証された最大移動回数に到達するのはまだまだ先です。それよりも先に、新しいエレベーター管理システムが設置されるでしょう」イグスのセールスアドバイザー、オイゲン・コヴァルチックは断言します。 産業用途向けのチェーンフレックス可動ケーブルは非常に小さい曲げ半径、高サイクル数、高速、高加速、厳しい周囲環境のために設計されています。

エラーの起こらないデータ伝送
 
アラミド繊維を組み込んだ耐久性の高いスペシャルケーブルは、元々最高100mまで棚がある自動倉庫用に開発されました。この高さでは、標準的なケーブルではデータ伝送に問題が起こる可能性があります。 また、チェーンフレックス可動ケーブルは、フォークリフトの可動式カメラシステムにおいても高性能の実力を発揮しています。このアプリケーションでは、フォークアームにカメラが統合され、ケーブルはドラムに巻きつけられています。 これらすべてのアプリケーションに共通するのは、データ伝送にエラーがあってはならないこと、そして安全性が非常に大切だということです。 さらに、プロセスの停止も避けなければなりません。「エレベーターは動き続けなければなりません。お客様のスムーズな移動を確保するために、予期せぬ停止はあってはなりません」Sparkasseの施設管理長は言います。

スペシャルバスケーブル_4

左から右: ミハエル・クラウス氏(Sparkasse Vorderpfalz)、アンドレア・ムッケス、オイゲン・コヴァルチック(ともにイグス)

 

このケーブルは高い要求のために開発された特別なソリューションですが、すべての経験はチェーンフレックスの標準品にも生かされています。 そのため、お客様は常に安心してどんな要件にも適切なケーブルを受け取ることができます。

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