現在、STSクレーンにはE4/4 HDシステムの全長260mのエナジーチェーンを採用し、光ファイバーを含む複数種のケーブル(チェーンフレックス ポートフォリオ)を収納しています。
HD(Heavy Duty)は、重量級ケーブルや長距離走行でも問題なく稼働できる能力を示します。これは、チェーン要素の高い肉厚と長寿命により、高い引張・せん断負荷にも対応できるためです。さらに、従来方式に比べ軽量であるため、トロリーの駆動電力やガーダ全体のシステム重量を低減できます。
また、各Centenaryトロリーにはローラーエナジーチェーンを装備し、2本のチェーンをチャンネルシステム内で走行させています。水側のCentenaryトロリーの取付位置はブーム上にあるため、ブームを上げた状態でもメイントロリーは作業可能です。Centenary側もブーム上昇時に移動できます。
最後に、厳しい使用環境に対応するため、i.Sense 状態監視システムを導入し、損傷やダウンタイムの予防を図っています。本システムはエナジーチェーンの圧縮・引張力を監視し、予防保全やシステムの微調整によって運用安全性を高めます。異常時にはアラームを即時発報し、メールやテキストメッセージで通知します。これにより、任意の場所から原因解析が可能です。