毎分1,000本のボトルを処理するラベリングマシンで正確な位置調整

KHS社のシステムには、20年以上前からリニアガイドやベアリングが使用されています。

KHS社のラベリングマシンに導入されているイグス製品は、旋回ベアリングやリニアガイドだけではありません。イグスは、位置決めユニットやガイドローラーなど、すぐに設置可能な組立済みのユニットも供給しています。KHS社によると、これは組立てを簡略化するだけでなく、高精度な高速作業を実現できるということです。

概要

問題点

KHS社の代表的な飲料充填・包装工場では、1時間に6万本、1分間に1,000本、毎秒17本弱の飲料ボトルが生産されています。KHS社では、以前からラベリング技術を中核事業としており、この分野で市場をリードしています。
KHS社は、ボトリング会社に様々な技術(ホットメルト、コールドグルー、ローラー式、のり付き)を使ったラベル装置を提供しています。「Innoket Neo」ユニットシステムにおける新製品に、ローラー式貼付機が開発されました。これは、2016年末に、それまで使用していた「Innoket 360S」の新モデルとして、登場しました。ローラー式装置では、胴巻きタイプのラベルがロールから繰り出され、切断装置で正確な長さにカットされ、ローラーで糊付けされます。その後、ボトルに貼付されます。ボトルは、回転しながらラベルが直接貼付されます。この技術の代表的なものが「オートスプライサー」です。これは、2つのラベルロールをシームレスに貼り合わせるため、装置の運転を止める必要がありません。
毎分約1,000本の驚異的なスピードで、すべての可動部品、特にその精度に高い要求が課されます。
ここに、KHS社の戦略が表れています。ラベリング装置を新規開発する際、各機能に対応するすぐに設置可能な組立済みユニット(水平方向の調節ユニットやガイドローラーなど)の調達が増えています。その場合、要件をすべて満たしている必要があります。充填時の濡れや湿度に対して、耐食性に優れ、一般的な洗浄液に対する高い耐性を持つ部品が求められます。耐摩耗性や衛生性も、同様に重要です。無潤滑の部品は、フタが開いた状態で空のボトルにラベル貼付する際、ボトルが汚染されるのを防ぐことができます。

解決方法

KHS社では、20年ほど前から、イグリデュールすべり軸受の回転使用やドライリンリニアガイドなどのベアリング技術が、さまざまなシステムで使用しています。– つまり、これは、KHS社の高い要求をすべて満たしていることになります。しかし最近では、ベアリング単品だけでなく、すぐに設置可能な組立品を購入することが増えています。Innoket Neoのローラー式機構では、その例を数多く見ることができます。
 
切断マークセンサーの高さ調整
例えば、切断マークセンサーの高さ調整では(図1参照)、これまでKHS社は、多くの部品を使用して、自分達でこの機能を組立てていました。しかし現在は、リニア調整ユニット、ボトルの固定、計測スケール、組立ての調整など、全てイグス製品を購入しています。ベースとなっているのは、ドライリンW リニアガイドWS-10-40です。

ラベルガイドのガイドローラー
2つ目の例は、ロール式機構によるラベルガイド向けガイドローラーです(図2)。無潤滑で耐食性に優れたこのローラーには、クシロス ポリマー製ボールベアリングが採用されています(図3)。最適な摩擦抵抗が得られるよう実践的な試験が行われ、ローラーの材質が選定されました。

ワークテーブルの調整
ワークテーブル全体の水平方向の調整ユニットも、組立品のシステムです。これは、ローラーと装置の位置を調整します。調節はドライリンSLWスライドテーブルを使用したハンドルで行います(図4)。後方のガイドは、ドライリンW リニアガイド WSQ-16を使用して設計されました(図5)。また、エナジーチェーンE2/000シリーズが、ラベル装置にエネルギー、信号、真空、圧縮空気を柔軟に供給します(図6)。

たわみ調整システム 図1:KHS社では、すぐに設置可能なラベルの切断マーク検知用のセンサー調節機構を使用しています。ベースとなっているのは、ドライリンW リニアガイドです。
サポートローラー、ガイドローラー 図2:様々なガイドローラーが使用されています。
ガイドローラー クシロスボールベアリング 図3:飲料業界にとって理想的なソリューション:ガイドローラーの軸受には、クシロス ポリマー製ボールベアリングが使用されています。写真は、ローラーを上から見たところ。
ドライリン リニアガイドでワークテーブルを水平方向に調整 図4:ドライリン リニアガイドを組み合わせて構成された無潤滑スライドテーブルで、ワークテーブル全体を水平方向に調整可能。
ワークテーブル ドライリンリニアガイド 図5:ワークテーブル後方のガイドに、ドライリンW リニアガイドを採用。
エナジーチェーン 図6:土台に組み込まれたエナジーチェーンが、動力と信号供給の可動性を確保。