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フリースパン走行 - 短いストローク

「フリースパン走行」とは

エナジーチェーンの上部走行部がストローク全体にわたり下部走行部に接していないとき、これをフリースパン走行と呼んでいます。

「フリースパンの長さ」とは

エナジーチェーンの移動端から、曲げ半径の円弧の始点までの距離をいいます。 この長さは型式と収納重量によって異なります。

水平走行 FLGの例

水平走行FLGの場合、寿命が長く、速度と加速度の最大値で動作させる事ができます。

フリースパン走行

フリースパン走行は、エナジーチェーンの取付方法として、最も多く用いられる方法です。 激しい動きや長い耐用年数が求められる場合に非常に適しています。 フリースパン長さの最大値は、収納重量と、どのエナジーチェーンを選定するかによって変わります。 フリースパン走行はレベルにより、次の3つに分類されます。

01) フリースパン 水平走行 FLG

エナジーチェーンの上部走行部にキャンバー(予張)があるか、まっすぐである、あるいは、最大のたわみがチェーンリンクの半分の高さまでである場合「FLG」に分類されます。 「FLG」はエナジーチェーンにとって最適な取付方法です。この場合、エナジーチェーンは静かに走行し、余分な振動にさらされることもありません。

02) フリースパン ベント走行FLB

エナジーチェーンのたわみがチェーンリンクの半分以上で、規定の最大のたわみよりは小さい場合、「FLB」に分類されます。この最大たわみはエナジーチェーンの種類により異なります。多くの事例でこの方法が適応されています。しかし、高加速度・高サイクル下では問題となる場合もありますのでご相談ください。

03) 「危険なたわみ」

たわみが、「FLB」で許容される値より大きい場合、これを「危険なたわみ」としています。危険なたわみを持たせた取付けは基本的には例外で、極端な場合にのみ限定されています。「危険なたわみ」の分類に入るエナジーチェーンの取付は絶対に行ってはなりません。非常に長期間の稼動後に、「危険なたわみ」に達する場合があります。その際にはエナジーチェーンを交換する必要があります。万が一「危険な」状態になった場合にはご相談ください。



ベント走行FLBの例

フリースパンの長さ

各エナジーチェーン、エナジーチューブに対する「FLG」「FLB」の値は、「設計」の章に掲載のグラフと、各型式の該当ページの、2箇所で確認することができます。 この数値は次の場合に大変重要になります:

収納重量とストローク長から適したエナジーチェーンを選定する

取付けたエナジーチェーンの最大負荷を知る

適切なエナジーチェーンを選定するため、次の要素にご留意ください。

フリースパンの長さ

速度

加速度

寿命

走路

騒音レベル

使用環境

フリースパンの長さが足りない場合の対処法

必要となる収納重量やストロークが、ご希望のエナジーチェーンの「フリースパンの長さ」の許容範囲外である場合、次のような解決法があります。

より強固なエナジーチェーンを選ぶ

フリースパンの範囲内でエナジーチェーンにサポートを付ける(ただしこの方法では、加速度や速度の制限をうけることになり、また、騒音の発生を伴います。 下図に示した3つの基本的な設置例をお考えの場合には、必ず当社にご相談ください。 より詳細なご提案をさせていただきます。)

「並列型」か、2本のエナジーチェーンが2重になった「二重型」のエナジーチェーンを使用する (ご相談ください)

ストロークを「スライド走行」で設計する

「FLB」範囲内でサポートを付けた28型
「FLG」(水平走行)範囲内でのサポート。 「水平走行」のストローク全長は、左図で「FLG」値の最大50%まで、右図では最大100%まで延長することができます。
「FLB」(ベント走行)範囲内でのサポート。 フリースパンのストローク全長を「FLB」値の最大100%まで延長することができます。

速度、加速度および寿命

フリースパン走行では、加速度 a は重要な要素です。 加速度が高まると、エナジーチェーンに振動が発生し、寿命に悪影響を及ぼすことがあります。 特にエナジーチェーンのたわみがFLG値よりも大きい場合にその恐れがあります。 最大の加速度・速度・寿命を実現できるのは、水平走行FLGで設計されたエナジーチェーンに限定されます。 FLG設計のエナジーチェーンは、非常に高い負荷に耐えることができます。 実際に連続使用で加速度784m/s2というピーク値が達成されたこともあります。 左図は、社内試験施設で繰り返し実施されている試験と、実際の現場で数多くの経験値から導かれた基準値です。全エナジーチェーン、エナジーチューブ製品に応用できますので、設計の際に目安としてください。 このように水平走行FLGとベント走行FLBのどちらで設計をするかが、重要なポイントになってきます。

フリースパンにおける最高速度と加速度の基準値:

    FLG FLB
最高走行速度v [m/s] 20 3
瞬間最高速度v [m/s] 50 -
最大加速度a [m/s2] 200 6
瞬間最大加速度a [m/s2] 784 -
水平走行(FLG)時における寿命の基準値:1000万サイクル

フリースパン走行 X = 加速度 a [m/s2]
Y = FLG時の寿命Z(単位100万サイクル)
FLG(フリースパン、ベント走行)時の加速度に応じた寿命の基準値
フリースパン走行 X = 加速度 a [m/s2]
Y = FLB時の寿命Z(単位100万サイクル)
FLB時の加速度に応じた寿命の基準値

高速度・高加速度に適したシリーズ

走路

通常、フリースパンで取付けたエナジーチェーンにはそれを受ける下部走行用の走路が必要になります。 右図に示したように様々な形態が利用可能です。 材質も、鉄、ポリマー、石材、木材、コンクリート、ガラス等多様なものが使用可能です。また、走路や下部走行部から発生する走行音を最小限に抑える対応策もありますのでご相談ください。 特に粉塵・粉塵が発生する環境では、エナジーチェーンの走路上に堆積しないよう注意することが大切です。

様々な走路面 + ガイドチャンネルがあります

取付ブラケット

フリースパン走行の場合には、移動端1リンク目が揺動可能な旋回型取付ブラケットを標準品としてお勧めします。 旋回型取付ブラケットは取付が容易な上、キャンパー調節の役目も果たし、運転時に1リンク目にかかる負担の軽減をします。 例外:加速度が 20 m/s² 以上、または設置場所の高さがHF値しかない場合。この場合は固定型取付ブラケットを使用するとエナジーチェーンをHF値以下に保つことができます。

旋回型取付ブラケットを標準取付具としてお薦めします。高速時や20 m/s² 以上の高加速時には固定型取付ブラケットの標準装備をお薦めします。

下面に支えのない場合の下側エナジーチェーン

下部走行部に受けがない場合、エナジーチェーンは限られた条件でしか使用できません。 通常、FLU値を当社で試験・測定する必要があります。 収納重量、選定されたエナジーチェーンの種類と動き(速度・ストローク回数など)、その他の要素が重複することにより異なる結果を生み出すため、せり出したオーバーハング部(FLU)の最大許容値は変動します。 エナジーチェーンの全ストロークにわたって下部走行部の受けを取り付けられない場合は、当社にご相談ください。

部分的にサポートをつけずに取付けたE4シリーズ - このような場合には当社にお問い合わせください。