KESSLER社のスピンドルにエネルギーと信号を供給するチェーンフレックスケーブル

旋回式スピンドルヘッドのケーブルガイドにより、長寿命実現と故障削減

有名なスピンドルメーカーであるFRANZ KESSLER社のシステム技術部門では、金属、そして最近では複合材のワークの高精度加工を可能にするスピンドル旋回ヘッドと回転ピボットテーブルを開発・製造しています。 電力と信号の供給のため、KESSLER社の回転式スピンドルヘッドと回転揺動テーブルにはイグスのチェーンフレックスケーブルが使われています。このチェーンフレックスケーブルは耐用年数と信頼性についてのとても高い要件を満たしています。

概要

工作機械向けその他製品
旋回スピンドルヘッド 旋回スピンドルヘッドのハウジングが開き、チェーンフレックスケーブルを見ることができます。 左から右の順に:イグス営業オリバー・シーボルト、KESSLER社のモータスピンドル&旋回システム製品マネージャー フロリアン・ゲールマン氏、イグスの工作機械部門マネージャー マーカス・コーゲルマン。

問題

ドイツのモータスピンドルメーカーであるFRANZ KESSLER社の名は、最高の性能と品質を象徴するブランドになっています。 電動機製造における強みは、工作機械内の様々な用途のための多種多様なスピンドルの開発と製造です。
スピンドルとドライブの技術に加えて、システムテクノロジー部門では、コンパクトで剛性の高い旋回式スピンドルヘッドと2軸回転ピボットテーブルを提供しています。 これらの製品を用いることで、ガントリーマシンで中・大型ワークの加工を行えるようになります。 5軸加工では、非常に効率的で精密な旋盤加工とフライス加工を1回のクランプで行うことができます。 これらのシステム内にあるCoolMotion®トルクモータは、高加速、高トルク、コンパクトな設置寸法を特徴としています。 全軸でのダイレクトドライブにより、間接的な駆動では実現できない加速度と精度を実現します。
KESSLER社が、ワーク軸や回転テーブルへの電力や信号の供給方法の選定に、細心の注意を払っていることは言うまでもありません。 ヘッドと軸は非常にコンパクトに作られていて、ケーブル用のスペースは少ししか残されていません。 つまり、短いストロークで絶えず頻繁に可動するケーブルには、より一層の耐摩耗性が求められるのです。 また、クーラントへの耐性も必要です。

ソリューション

イグスのエナジーチェーンは、航空宇宙用途の大型ガントリーの移動軸などで、回転テーブルの外側のケーブルの保護に使われています。 イグスには、ハーネス済み可動ケーブルを収納し組み立て済みで納品するレディーチェーンと呼ばれる製品がありますが、モータスピンドルメーカーのFRANZ KESSLER社の場合もこの製品を利用しています。
イグスのチェーンは、切り粉の飛散が予想される場合や、最近増えているケースとして、金属ではなく複合材を機械で加工する場合など、厳しい条件でも使用できることが実証されています。 このような場合、繊維には研磨作用がありますが、イグスのエナジーチェーンやケーブルの寿命には影響しません。 イグスのチェーンフレックス可動ケーブルは、基本的に目に見えない場所であるスピンドル旋回ヘッドや回転テーブルのハウジング内にも使われています。 ここでは、さまざまなタイプのケーブルが使用されています。 360°回転するヘッドの上のインターフェースには、捻回可能なCFROBOT4ケーブルが使用されています。 このケーブルは、スピンドル内のインクリメンタルエンコーダとアブソリュートエンコーダの信号などを伝送します。動力ケーブルにはCF310シリーズが、保護導体にはCFPEケーブルが使われています。 ここでは、ケーブルの曲げ半径が規定よりも小さいことがよくあります。 そのような場合、イグスは使用条件を試験し特別な許可を出しています。

「私たちにとっては、とにかく信頼性が重要なのです。 当社のお客様は、非常に長い製品寿命を持つ高性能なシステムを期待しています。 すべての要素部品( とりわけ可動部 )は、このような基準に従って選ばなければなりません。 "
 
フロリアン・ゲールマン氏、KESSLER社モータスピンドル&旋回システム製品マネージャー
Kessler社のスピンドル KESSLER社のスピンドル旋回ヘッドのコンパクトな寸法は、自社で開発・製造したトルクモータによるところが大きい。
回転テーブル KESSLER Systemtechnik社の回転テーブルは、中・大型ワークの高精度5軸加工を1回のクランプで可能にします。

2003年以来問題なし

KESSLER社は2003年以降、イグスのチェーンフレックスケーブルを使用しています。 その間、担当の設計エンジニアに問題や故障が報告されたことはありません。 採用されているケーブルは、高速・高加速・高頻度の短いストロークの回転および直線運動という厳しい環境で、さらにクーラントや切り粉に晒されているにもかかわらずです。 TPE外被の高い耐摩耗性で外被の摩耗を防ぎ、特殊な撚り方により、最終的にコークスクリュー現象(ケーブルねじねじ現象)や断線の原因となる、線心構造の変形を効果的に防ぐことができます。
 
このため、KESSLER社では原則として(可動部ではなく固定部でも)チェーンフレックスケーブルを使用しています。 フロリアン・ゲールマン氏:「私たちにとっては、とにかく信頼性が重要なのです。 当社のお客様は、非常に長い製品寿命を持つ高性能なシステムを期待しています。 すべての要素部品(とりわけ可動部)は、このような基準に従って選ばなければなりません。 」このような状況下で、チェーンフレックスケーブルとイグスのエナジーチェーンは、13年前からKESSLER社の回転スピンドルヘッドと回転ピボットテーブルに採用され、成功を収めています。