新しい製織方法の特長
この新製法には、利点が多くあります。開発責任者のRoland Michel氏によれば、「この機械では、より効果的で効率的に工程を制御できるため、図柄を自由に作成することができます。また一本一本の糸の動きは、光学的にモニターされているので、この機械での作業も信頼できます。また、機械自体は非常にコンパクトなので、消費エネルギーも約20%削減できるようになりました」
UniShed2の最初の試作機は、すでにユーザーが実証実験を行っており、他の試作機も社内試験段階にあります。この機械の開発は、繊維業界で大きな注目を集めており、Gitec社は市場で恒久的な成功を収めるだろうと言われています。「私たちは、旧来の技術の80パーセントが、この新製法に代わるだろうと確信しています」
お客様の要望:耐久性の高い無潤滑なベアリング
一番最初の試作機を製作する際、克服しなければならなかった技術的な設計課題に、揺動シャフト用のベアリングも含まれていました。この揺動シャフトは、直径は50mmで、電動カルダンシャフトドライブを使って、サーボモータで動作します。Roland Michel氏によれば、「シャフトが揺動し、機械は年中無休の耐久ランナーのように休みなく稼働するため、ベアリングに大きな負担がかかります。同時にこのシャフトの下で織物が生産されるため、潤滑剤を使用することができません。当初は、別のメーカーのベアリングを使用していました。問題なく機能していましたが、非常に高価でした。繊維産業は価格に非常に敏感で、個々の軸ごとに複数のベアリングが必要だったため、私たちはイグスのベアリングを代わりに採用することにしました」
新開発のポリマー材質を使用
当初は、標準イグリデュールJ材質が想定されていました。この材質は、耐久性という点で極めて優れており、高い耐摩耗性と低吸湿性を備えています。しかし、「Better is the enemy of good(過ぎたるは及ばざるが如し)」という言葉に従って、イグスはさらに優れた耐摩耗性を特長とする新素材としてイグリデュールJ3を開発しました。使用条件にもよりますが、イグリデュールJの最大3倍も長い耐用年数を実現しました。