ドローンインボックス

軽量でメンテナンスフリーのモーション・プラスチックを使用


ドローンは、ほとんどが手動で制御されています。離陸、飛行、着陸の操作はスマートフォンやリモコンを使用します。このとき、操縦士はドローンの近くに立ち、ドローンが視界に入るようにします。約20~30分後にはバッテリー容量がなくなるため、ユーザーはコンセントから充電ケーブルでドローンを充電する必要があります。多くの産業用途において、この方法は実用的ではなく、非経済的で非現実的です。

ドローンインボックスの原理

ドローンインボックスシステムは、ドローンを自動的かつ自律的に飛行させることが可能です。一般的には、以下の3つの機器が必要となります。

  • 自動充電可能なドローン。例)着陸スキッドの充電接点や通常のドローンに取付けるギア、ボックス内でのバッテリー自動交換などを介して充電。
  • ドローンの離着陸用プラットフォームとなるボックス。ドローンの充電やバッテリー交換を自動で行えるように設計されています。充電中やドローンを飛行させない時は、このボックスがドローンの安全な保管場所となります。
  • 飛行用途や飛行ルートを計画し制御する制御ソフトウェア
ドローンインボックス用モーション・プラスチック
2021年1月、米国連邦航空局(FAA)は、初めて完全自律飛行型商用ドローンを承認しました。マサチューセッツ州に拠点を置く企業が、操縦士による手動制御や監視無しでドローンを運用する許可を取得したのです。飛行は高度122メートル(400フィート)までの農村部でのみ許可されていますが、それでもこの許可は、農家、郵便業者、発電所運営者、その他利用者にとって、ドローンの商業利用の拡大に向けた大きな一歩です。

ドローンボックス用モーション・プラスチック

 
水分、汚れ、腐食に強い 無潤滑・メンテナンスフリー 軽量・コンパクト
イグス製品を使用したドローンボックス

1. カバーの開閉

►  多条ねじ DST-LS
►  フランジ型送りねじナット DST-JFRM
►  2穴付きフランジ型ベアリング EFOM
►  特殊ステッピングモータ(防滴仕様) MOT-AD
►  エナジーチェーン E2ミニ
ドローンカバーに使用される様々な製品
ドローンカバーで使用されるドライスピン 送りねじ

2. ドローンのセンタリング

►  対向移動型リニアアクチュエータ ZLW-0630-OD
►  特殊ステッピングモータ(防滴仕様) MOT-AD
►  エナジーチェーン E2マイクロ
ドローンのセンタリングに使用される製品
ドローンのセンタリングで使用されるドライリンレール

3. ランディングプラットフォームの昇降

►  送りねじ付きスライドテーブル SLW-0630
►  エナジーチェーン E2ミニ
送りねじ付きスライドテーブル SLW-0630、エナジーチェーン E2ミニ
ランディングプラットフォーム昇降用のドライスピン送りねじ

4. バッテリー交換

►  ウォームギア RL-D
►  低コストロボット RL-DP-4
ウォームギア RL-D
ドローンのバッテリー交換時のウォームギア

適用領域

ドローンインボックスの用途は多岐にわたりますが、以下にその一例をご紹介します。
  • セキュリティ業界では、緊急時にアラームを作動させ、アラームが発報された場所に飛行し、現場の写真を撮影するために利用されています。定期的、計画的なパトロール飛行も可能です。また、企業は大規模イベントの安全性を高めるために、すでにこの技術を利用しています。
  • 農業では、検査や測定作業での活用が進んでいます。ドローンに搭載された特殊カメラにより、植生の変化の早期発見が可能です。
  • 工場や発電所のメンテナンスには、ドローンインボックスを利用して、工場/発電所の空撮画像やデータをリアルタイムでスタッフに配信しています。これにより、ガス漏れや水漏れなど、必要なメンテナンス作業を検知することができます。
  • 世界の多くの地域で、時間に関係なく荷物を預けられる便利な方法として、宅配便ステーションが利用されています。このステーションにドローンの離着陸用スペースを拡張できれば、将来的に多くの荷物配送が自動化されるかもしれません。

使用事例