油圧式Aフレームクレーン | イグリデュール使用事例

概要

要望:
Aフレームクレーンの揺動機構向けすべり軸受

要件: 
耐候性があり高荷重に対応できる無潤滑・メンテナンスフリーのすべり軸受

産業: 
オフショア産業

お客様のメリット: 
メンテナンスフリーかつ耐食性の軸受部、優れた費用対効果、特注のすべり軸受

 

揺動機構にイグリデュールすべり軸受を使用した、可動域180度のAフレームクレーン
積荷を積んだAフレーム

180度の可動域

Ship & Yacht Engineering社は、長年にわたり、造船と海洋技術における複雑なプロジェクトの管理と実施を専門としてきました。創業者兼CEOのエリック・ホフマン氏は、タラップからクルーズ船まで、造船に必要なあらゆるものを開発しています。様々な船会社と仕事をする中で、彼はAフレームのデメリットを何度も認識しました。

そこでホフマン氏が開発したのが、無潤滑・メンテナンスフリーの揺動機構「リンケージシステム」を備えた、可動域180度のAフレームです。メンテナンスを最小限に抑え、機構の軸受部を無潤滑に保つため、イグリデュールすべり軸受が採用されました。

ドイツ・東フリースラントのレール港に立つホフマン氏の新たなAフレームは、一見他のものと変わらないように見えます。しかし、よく見ると、他の油圧式Aフレームとは異なり、このAフレームは外側にシリンダーがありません。これがホフマン氏のイノベーションの大きなメリットです。昇降装置の傾斜動作は、リンケージシステムで実現されています。シリンダーと特殊な揺動機構はAフレームのフレーム内に設置されており、180度の動作半径を可能にしています。
 

最大20トンの揺動荷重に対応

Ship & Yacht Engineering社のAフレームは、すでに船級協会の承認を受けており、揺動角度によって最大20トンの荷重を持ち上げることができます。現在、世界有数の地理データ専門会社であるフグロ社の調査船に設置され、磁力計を水中に投下し、再び引き上げる用途などに使用される予定です。

公海や厳しい気象条件のもとで揺動運動が問題なく行われるようにするため、ホフマン氏は自己潤滑式でメンテナンスフリー、かつコスト効率の良いすべり軸受を探していました。以前は青銅ブッシュを使用していましたが、気象条件によって常にベアリングからグリスが流出するため、十分な潤滑と腐食防止のために常にグリスを注入し続けなければならなかったそうです。   
イグリデュールTX1すべり軸受を使用したAフレームの揺動機構
Aフレームの揺動機構に使われるイグリデュールTX1すべり軸受

自己潤滑効果により潤滑不足を防ぐ

ホフマン氏は、ある評判を聞き、ケルンに本社を置く高機能プラスチックの開発・製造会社であるイグスの存在を知りました。現在、Aフレームの揺動運動には、イグリデュールTX1という材質のすべり軸受が使われています。高荷重用に特別開発されたこの軸受は、メンテナンスを最小限に抑え、潤滑剤の追加も不要です。

「当社のすべり軸受には、固体潤滑剤が組み込まれており、その潤滑剤は材料内の数百万の小部屋に入っています。そのため、軸受部を十分に潤滑することができます。常に潤滑されている状態です。」イグリデュール高荷重ベアリングのプロダクトマネージャーは説明します。「潤滑剤を追加する必要がないため、手動潤滑や自動潤滑システムを完全に省くことができるのです。」

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イグリデュールTX1すべり軸受