ロボットケーブルにおけるUL-verified(検証) とは？

UL-verified とは

チェーンフレックスケーブルが誕生してから、世界的に認知されたUL（アンダーライターズ・ラボラトリーズ）によって当社のマーケティングプロミスが確認を受けるまでには、どのような道のりがあったのでしょうか。 そもそも、なぜイグスはケーブルを作っているのでしょうか？なぜ、当社はチェーンフレックスケーブルを徹底的に試験するのでしょうか？なぜイグスはケーブルの無償交換保証を提供できるのでしょうか。UL-verified(検証) とは何なのでしょうか。質問に対するすべての答えはこちらです。

1988年 - イグスケーブルの誕生

イグスが樹脂製エナジーチェーンを市場に投入したとき、多くのお客様は、それまでのソリューションがいくつかの困難をもたらしてきたことから、エネルギー供給システムの分野におけるこの革新的な技術に期待を寄せました。しかし、エナジーチェーンの導入に伴い、多くのケーブルがこの新たな動きに対応できないという課題が出てきました。そして、イグスは次のようなお客様の声に直面しました。
「樹脂製エナジーチェーンを使う前は、このようなケーブルの問題はなかった！」
イグスは行動を起こさなければなりませんでした。イグスは、効果的で長持ちするケーブルソリューションを必要としていました。
そのアイデアとは、プラスチックのエナジーチェーンに永続的に使用できるケーブルを設計することでした。プラスチック射出成形品のメーカーであるイグスは、未知の領域に足を踏み込まなければなりませんでした。
アイデアが浮かんでは、何ヶ月もかけて最適なセットアップを企画・設計し、試作品を製作しては試験を繰り返しました。これにより、ケーブルは最大限に長寿命となり、お客様のニーズに応えられるようになりました。
その結果、1988年、イグスは当社初の制御・動力ケーブルシリーズであるCF1、CF2を発表しました。

1991年 - テスト、テスト、テスト

各ケーブルは、製造直後に標準試験が行われます。今日に至るまで、世界的なケーブル規格の中で、エナジーチェーンアプリケーションの製造及び試験規制を盛り込んだものは存在しません。
つまり、関連メーカーは既存の試験や規格に基づいて、エナジーチェーン用ケーブルの耐久性を証明しようとしているのです。しかし、様々な試験仕様で規定されている耐屈曲ケーブルの曲げ試験は、実際のエナジーチェーン用途を表すものではありません。
さらにこれらの試験は、エナジーチェーン用ケーブルが曲げ方向を変えるなどして、エナジーチェーンの応力を反映していることを示唆しています。しかし、このエナジーチェーン内の曲げ荷重は、常にチェーンの半径に沿って、許容曲げ半径と方向が一定になっています。その結果、ケーブルにかかる機械的負荷が著しく大きくなります。
そのため標準的な試験は、エナジーチェーン用ケーブルを適切にチェックするのには適していません。そこで、チェーンフレックス試験施設では、実際の使用条件に基づく独自の実験や試験に特化しています。日常的に行われている具体的なケーススタディをご紹介します。これらの標準試験には、イグスが定義したパラメータが使用されます。例えば、ケーブルはその仕様に応じて異なる曲げ半径やストローク長でテストされます。

2013年 - ケーブル保証

一見すると、ケーブルは目立たないパーツのように見えます。しかし、それらは機械の機能に大きな影響を与えています。「機械の命綱」と呼ばれることもあり、巨大な港湾クレーンの1ミリの動きでさえ左右するのです。
そのためお客様は、計画の安全性と信頼性を確実にするために、耐用年数の保証を求めています。当社は数多くの試験を行っているため、お客様にケーブル寿命を保証し、確実に予測することができます。 

そこで、すべてのユーザーに安心を提供するために、カタログ製品に明確な保証をつけてはどうだろうか、と考えました。なぜならエネルギーやデータを配線したり移動させたりするときには、それに見合った負荷に耐えられるケーブルが必要だからです。最大限の安全性を保証するために、イグスはエナジーチェーンの世界的なマーケットリーダーとしての責任を自覚し、チェーンフレックスと合わせて、動作が保証されたベストなケーブルソリューションを提供しています。
幅広い用途を考慮し、オンラインでも計算できる寿命予測が登場しました。当社のカタログに掲載されているチェーンフレックスケーブルは、最大36ヶ月無償交換保証が付いています。この保証は、2750m²の世界最大規模のエナジーチェーン試験施設で得られた知見に基づいています。全ての種類のケーブルが、800を超える並行試験で精力的にテストされています。したがって、宣伝されている耐用年数はルーズな約束ではなく、エナジーチェーンにおける数多くの試験結果に基づいているのです。

2020年 - マーケティングプロミスの確認

イグスは、20億回のテストサイクルとバッチテストで2億5千万サイクルをおこない、チェーンフレックスケーブルに最大36ヶ月の無償交換保証を約束した最初のケーブルメーカーです。複雑な認証プロセスを経て、米国の「アンダーライターズ・ラボラトリーズ」機関は、 "igus 36-month chainflex cable guarantee and service life calculator based on 2 billion test cycles per year“ （年間20億回のテストサイクルに基づく、チェーンフレックスケーブル36ヶ月無償交換保証と耐用年数計算）の約束の正確性を確認しました。これによりイグスは、中立的な試験機関によって広告の整合性が確認されたヨーロッパ初の企業となりました。今後、世界各地の工場から出荷されるチェーンフレックス ケーブルの中に、B129699というUL試験マークが付いていないものはありません。
 
お客様にとっては、この耐用年数保証が単なる宣伝文句ではないという安心感と確信が得られます。実際のデータに基づいた保証です。加えてこの件については、世界最大級の独立した著名な試験機関によって改めて確認されています。

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