表面速度
すべり軸受にとって周速は重要な要素です。これは回転数ではなく、軸径による表面速度が重要になります。
表面速度は1秒あたりのメートル数 [m/s] で表し、回転数n [rpm] から以下の式を使って計算します。
回転運動: v = n × d1 × π/(60 × 1000) [m/s]
揺動運動: v = d1 × π × 2×β/360 × f/1000 [m/s]
ここでは記号は以下を表します :
d1 | ベアリング内径 [mm] |
f | 周波数 [Hz] |
β | 揺動角度 [°] |
n | 1分あたりの回転数 [rpm] |
揺動で速度が変動する場合、平均速度とします(上の式を参照)。
許容表面速度
イグリデュールすべり軸受は、当初低速および中速の連続使用向けに開発されました。
表01および02は、イグリデュールすべり軸受の回転、揺動、直動時における許容表面速度です。
これら表面速度は、軸受への面圧が最低であるときの限界値です。
実際には、各要因の相互作用により、これらの限界値に達することはほとんどありません。 面圧が上昇するにつれて許容表面速度は減少します。
速度限界は、軸受の熱特性によって決まります。 動きの種類によって速度が異なるのはこのためです。
直線運動では、軸受が接する軸の面積が広くなるので、熱は軸を通じて放散されます。
表面速度と摩耗
許容表面速度を検討する場合、軸受の耐摩耗性も考慮しなければなりません。表面速度が高くなると、それに応じて摩耗も増加し、摩耗率だけでなく摩耗そのものも増加します。
表面速度と摩擦係数
すべり軸受の摩擦係数の実際値は、表面速度によって決まります。 表面速度が高い場合のほうが低い場合より摩擦係数が高くなります。 図01では、冷間圧延鋼(S50C)製軸で面圧0.7MPaの場合の関係を示しています。