複数のフィラメントを使った3Dプリント

複合素材による極めて長い耐用年数と優れた弾力性

マルチマテリアルプリントは、２つの異なるフィラメントを使用し、1回の作業で1つの部品を作成します。これにより、2つ以上の異なる材質の長所を1つの部品にまとめることができます。
イグスが機械工学用に特別に開発したフィラメントは「トライボフィラメント」と呼ばれています。トライボフィラメントは、優れた独自の耐摩耗特性と非常に良好な摩擦係数を有しています。他にも、強度や剛性を高めるために特別に最適化されたフィラメントもあります。マルチマテリアルプリントは、トライボフィラメントを１つの部品内で他の材質と組み合わせることで、高い耐摩耗性をその他の機械的・機能的特性で補うことができます。

新しい繊維強化3Dプリント用フィラメント「イグミッドP190」は、「イグリデュールi190」の相手材として、マルチマテリアル3Dプリントにおいて高強度かつ低摩擦の部品を製造するために特別に開発されました。

マルチマテリアル構成として、1つの部品の中にイグリデュールi190トライボフィラメントの耐摩耗性と摺動特性、イグミッドP190の特殊剛性を兼ね備えています。イグミッドP190は、237MPaの非常に高い曲げ強度と11.5GPaの曲げ弾性率（造形物に対して水平、最適条件時の最大強度）により、構造部品の製造にも適しています。

4素材対応のプリンターでは、トライボフィラメントと最大3つの他のフィラメントを組み合わせることができます。これにより、3Dプリントを利用し、1回の作業で迅速かつ経済的に多機能な特殊部品を生み出すことができます。

例えば繊維強化ハウジング、ストレスポイントにトライボフィラメント、ベアリングの過負荷を警告するセンサーを内蔵した、予知保全のためのインテリジェントベアリングが考えられます。
その他の応用分野としては、シールを内蔵した耐摩耗性部品などがあります。

複数材質を使用した部品が必要なアプリケーションをお持ちですか？マルチマテリアル3Dプリントに関してご質問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

機械的性質

トライボフィラメントは硬質または柔軟な材質との組み合わせが可能です。これにより、軽量な構造で作られたものも含め、優れた摩擦・摩耗特性という利点と組み合わせて、非常に強力な部品を構築することが可能になります。柔軟な材質とイグリデュールフィラメントの組合せは、グリッパの製造に最適です。しっかりと掴むことができない表面では物が落ちてしまいます。　

射出成形と3Dプリントの組み合わせ

成形された3Dプリント部品は、3Dプリントでしか実現できない形状と、豊富な選択肢から選べる射出成形のイグリデュール材質の組合せです。

センサー付き3Dプリント

マルチマテリアルプリントは、センサー層を内蔵した耐摩耗性ポリマーの迅速な製造を可能にします。 このようにして、過負荷が発生する前や摩耗限界に達する前にアラートを発し、予知保全を可能にする非常に耐久性の高い特殊部品を製造することができます。 3Dプリントisenseについてもっと詳しく

ベルクランク

力を偏向させるための部品で、その大きな剛性は、干渉の影響から関節を保護します。ベアリングポイントは特にスムーズに走行し、耐久性と耐摩耗性に優れています。ここでは、イグミッドP150のような炭素繊維で強化されたフィラメントと、イグリデュールトライボフィラメントのような摩擦が最適化された材質の組み合わせが適しています。

グリッパー

動的な要件では、グリッパーエレメントが可能な限り軽量でありながら、大きな曲げ強度を持ち、しっかりと、しかし優しくグリップすることが求められます。 グリッパー本体には繊維強化フィラメントを使用していますが、把持面には摩擦係数の高い柔軟性のあるフィラメントを使用することができます。 

送りねじサポートブロック

シャフトのベアリングは、あらゆる角度の誤差を補正し、ショックを減衰させる必要があります。 イグリデュールすべり軸受を、ショア硬度95AのTPUのような柔軟性のあるフィラメントで包むことができます。