ラピッドプロトタイピング:

電気自動車の充電システム用、3Dプリント製樹脂製ギア


概要

  • 要望:試作用樹脂製ギア
  • 製造工程: イグス3Dプリントサービス
  • 要件:耐摩耗性、高強度、迅速納品
  • 材質: イグリデュール i6
  • 産業:自動車
  • メリット:簡単なオンライン構成と迅速納品で時間短縮、加工費用の削減、幅広いオプション
Easelink社(ドイツ、グラーツ)は2つの要素からなる充電システム「マトリックス・チャージング」を開発しました。コンセントに接続された充電パッドは、駐車場に設置されます。パッドの上に車を駐車すると、車の底部にあるコネクターが充電パットまで降下します。充電が自動的に開始されるため、ドライバーがケーブルを接続する必要はありません。非接触充電に似ていますが、充電電力は最大10倍、効率は99%です。開発中は、何度も試作を重ねて量産可能な状態に近づけていく必要があります。コストを可能な限り抑えつつ高品質を実現するため、彼らは3Dプリントサービスを利用しました。

イグスの3Dプリントサービスで時間とコストを節約

eモビリティには将来性があります。ただ、これまで電気自動車だけはそれほど普及してきませんでした。その重大な要因は、充電用インフラが十分に発達していないということです。多くのドライバーにとって、利用できる充電設備が少なすぎます。Easelink社はこの状況を変えようとしています。革新的なスタートアップ企業は2つの要素からなる充電システム「マトリックス・チャージング」を開発しました。コンセントに接続された充電パッドは、駐車場に設置されます。パッドの上に車を駐車すると、車の底部にあるコネクターが充電パットまで降下します。充電が自動的に開始されるため、ドライバーがケーブルを接続する必要はありません。非接触充電に似ていますが、充電電力は最大10倍、効率は99%です。開発中は、何度も試作を重ねて量産可能な状態に近づけていく必要があります。この段階でコストや時間が問題になると、試作品作製は障害になります。しかし、Easelink社は見事に部品を製造しました。同社は3Dプリントを使用し、試作品のコネクタ機構用にギアを作製しました。
イグリデュール素材を使い3Dプリントで作製したギアを使用したマトリックスチャージャーと電気自動車

素早くオンライン構成可能

イグスの3Dプリントサービス用オンラインツールは、約60秒でギアを設計することができます。出荷も迅速に行われます。産業用プリンタで作成されるギアとは違い、遅くとも3日で出荷が可能です。「試作品製作では、高い柔軟性と迅速納品が非常に重要です」Easelink創設者のヘルマン・ストッキンガー氏は言います。「我々が高く評価しているのはまさにこれらの要素です。イグスのオンラインコンフィギュレータによって、さまざまな種類のギアを素早く選定し、プリントすることができます。」
 
時間の節約のほか、コスト効率性に優れあらゆる加工費用が削減されることもメリットです。設計者はギアのモジュールを選択し、歯数と減速比を設定するだけです。コンフィギュレータは、3Dプリント用のベースとなるギアの3Dモデルを作成します。CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウエアを使わずに、何百種類ものシングルギア・ダブルギアを作成することができます。
イグリデュール素材を使い3Dプリントで作成したギアを使用したマトリックスチャージャー

耐摩耗性に優れるイグリデュールI6

ギアに最適な材質はイグリデュールI6です。高機能樹脂は-40 ~ +80℃の周囲温度に対応し、許容最大面圧は44MPa、耐摩耗性に優れています。社内施設での試験では、代表的な樹脂ポリオキシメチレン(POM)製ギアよりもかなり頑丈であることが証明されました。試験では、ギアは回転数12RPM、トルク5Nmの負荷をかけられました。その結果、イグリデュールI6製3Dプリントギアは100万サイクル後も十分な機能を保持しており、摩耗はほとんど計測できませんでした。POM樹脂を機械加工したギアとは違います。こちらは321,000サイクル後に摩耗し、621,000サイクル後に故障しました。

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