スピーディーかつ耐摩耗性

イグスの3Dプリントサービスを使用して製作されたオーダーメードパーツ

概要

  • 要望:エンジンチューニング用の樹脂製ピニオン
  • 製造工程: イグス3Dプリントサービス
  • 要件:短納期、堅牢性、耐摩耗性
  • 材質: イグリデュールI6
  • 産業:自動車
  • メリット:少量のカスタムパーツを72時間以内にプリント、設計の手間を削減、部品の調整・機械加工が不要。頑丈で確実な部品


F1レースに影響を受けた学生チームが開催する「フォーミュラ・スチューデント・ジャーマニー(FSG)」の大会では、各学生チームが互いに競い合います。 レース車両を製造するために、ヴァインガルテンの学生チームは、カスタムプラスチックピニオンなどの部品を必要としていました。これらの部品は、チェーン駆動のテンショナーとして使用されています。残念なことに、特殊サイズのピニオンは納期が長く、機械加工による従来方式の製造は時間がかかります。このような状況の下、イグスの3Dプリントサービスは迅速なソリューションを提供し、72時間以内に樹脂製ピニオンを製造しました。    


オンラインコンフィギュレータとレーザー焼結法により素早い納品

設計者は時間を節約できるだけでなく、オンラインコンフィギュレータを用いてデジタル3Dモデルを簡単に構成することが可能です。  特殊部品製造は、いわゆるSLS方式(粉末焼結積層造形法)によって行われます。 まず3Dプリンター内に樹脂粉末の薄い層を敷き詰めます。その後、プリンターは3Dモデルに従って部品が形成されるべき部分の粉末をレーザーで融着させます。造形が終了すると粉末ベッドが0.1mm下がりローラーで粉末を敷き詰めて次のレイヤーの造形が開始します。数時間後、スプロケットが完全にプリントされます。「3Dプリントのおかげで、対応するグラフィック部門の通常の調整や機械加工が削減されます」と説明するのは学生チームのリッキー・ゲッサー氏です。    

「おそらく3Dプリンターでの製造は、少量の場合により経済的です。」 

3Dプリント製:耐摩耗性のイグリデュール素材でピニオンをカスタムメイド

トライボポリマー製の頑丈な部品

チェーン駆動でテンショナーとして使用するには、ピニオンはとても頑丈でなければなりません。ここでもイグリデュールのトライポポリマーは、通常のポリマーと比較するとその長所を発揮しております。   この高機能プラスチックは、産業界の可動アプリケーション向けにイグスが特別に開発したものです。  今回の例では、イグリデュールI6が使用されました。この材質は、レーザー焼結プリント用の通常樹脂と比べて耐摩耗性に優れています。 この材料の耐摩耗性は、社内施設で試験されました。イグス専門家チームは、ウォームホイールをトルク5 Nm 、回転数12rpmで試験しました。レーザー焼結プリント用の代表的な素材であるPA12製ギアは、摩擦係数が高すぎるため、わずか521サイクル後に停止しました。一方、イグリデュールI6は100万サイクル後でも摩耗はわずかで、問題なく機能しました。 「このような試験の結果、この材質に信頼がおけるということが判明しました」とゲッサー氏は話します。「以前のスプロケットに使われていたボールベアリングは、20km以上持ちこたえたことはなく不満でした。我々の最も長いレースは22kmだからです。2019年シーズンは、イグスの3Dプリント製スプロケットがより高い耐久性を発揮してくれることを期待しています。」  
イグリデュール高機能ポリマー製カスタムプラスチックピニオンを使用したフォーミュラ・スチューデント・レーシングカー

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