摩擦係数と表面状態
軸材質の表面粗さと摩擦係数との関係には、着目すべきものがあります。 摩耗量は様々な要素によって決まります。
軸の面粗度が非常に粗い場合、摩耗のレベルに大きく影響します。 小さな面積でも凹凸面があると互いにかみ合って表面を摩耗させます。 しかしながら、表面が滑らか過ぎると、表面同士が粘着がしやすくなります。 粘着に打ち勝つには大きな力が必要となり、摩擦係数が増大します。 静摩擦係数と動摩擦係数との間に大きな差があり、接触面の粘着傾向が増すと、スティックスリップが起こる可能性があります。 これが発生すると、挙動にガタつきが生じたり、ギーギー音が発生することがあります。 この現象は多くの場合、軸表面を少し粗めにすることで解消されます。 低速運転やハウジングとの共鳴が大きい運転の場合にはスティックスリップが発生する可能性が高いため、特に軸の粗度に注意する必要があります。